3年生の頃より、対人関係も改善されてきて、友達を家に連れてきたりするようになりました。
初めて家に連れてきた時は、それはもうびっくりやら、うれしいやら・・・・・・
友達と遊ぶということは、もうあきらめていましたから。
3年の時の担任の先生が、ルカと交流級の子供たちが一緒に遊べるように、交流級の先生や、生徒たちに随分と働きかけてくれたようです。
私は、そのことに本当に感謝し、私もルカに対して、友達と遊ぶように積極的に働きかけました。
遊びに来てくれた友達にも感謝し、優しい物わかりのよい母親を演じていたような気がします。
しかし、だんだん、ルカと友達のつきあい方を見ていると、どうやら利用されている・・・・ということが、わかってきました。
友達の中で、主導権を握っていた子は、とてもテレビゲームが好きな子で、家ではあまりやりすぎるということで、ゲームを禁止されている子でした。
それで、我が家にきてテレビゲームをするというのが、第一の目的だったようです。
私は、それを気づいていながら、その子に毅然とした態度をとることが出来ませんでした。
なぜなら、ルカにできた、たった一人の友達だったから・・・・
それでも、次第にルカがその子に対しておびえているような様子がうかがえるようになりました。
これでは、ルカにとってもその子にとっても、お互いが不幸になる気がして、その子から誘われても、断るようルカにいいました。
友達が、遊びにきた当初は、ルカ自身も、「友達と遊びたい」と言っていたし、そのことは、いいことなのだと私も信じて疑わないようなところがありました。
でも、冷静に考えれば、ルカ自身、本当に友達を望んでいたのだろうか?
ただ、母親がいいことだと言ったから、そうしたに過ぎないのではないか、と、思うようになりました。
この経験があってから、私のほうから、「友達と遊んだら」と、ルカに勧めることは、なくなりました。
しかし、この経験が全く悪い経験だったとは、思っていません。
ルカは、友達との関係を通して、学んだことも多かったのです。強いものに対しては、逆らってはいけないこと、いやだと意志表示をしないと大変なことになるということ、自分から近よらなければ、いやなことはある程度回避されること。
そんなこと、学ばなくたって・・・・と、思う方もいるかもしれません。でも、生きていく上では、大切なことです。ルカは、最小限の心の傷?を負いながら、貴重な体験をしたとも言えると思います。
3年の時、出会ったその子とは、中学になってまた交流級で一緒のクラスになりました。
今では、頼もしいお兄さんに成長したようで、ルカが交流級で困っているとき、何気なく救いの手をさしのべているようです。
あの時、お互いに距離を置いたことは、むだではなかったなと、しみじみと思う今日この頃です。
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