ダクト開口端反射減衰に関する研究

 ダクト開口端反射減衰とは、空調ダクト等の内部においてファンや乱流などによって発生した騒音が ダクト開口端にて全てが外部へ放射されず、低周波成分の一部がダクト内部へと反射され、この反射に よって騒音の減衰が生じる現象のことである。日本の音響設計では、一般にこのダクト開口端反射減衰 の値はASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)の図の値を使用するが、これには理論計算の併載がなく、 実験的検討も行われていない。また、断面のアスペクト比が大きいダクトや、壁面におけるすべてのダ クト開口位置において、この値が適用可能であるかも明らかでない。  本研究は、断面のアスペクト比や壁面における開口位置などダクト開口端の条件の違いにおける ダクト開口端反射減衰値を求めることを目的としている。
 現在は、パルス音を音源とした実験およびスペクトル解析によりダクト開口端反射減衰値を求め、 実験値とASHRAEの図の値を比較して、ダクト開口端反射減衰の測定方法の検討を行っている。
論文
日本建築学会技術報告集第36号(2011年6月)

研究発表
1. 矢作知也、塩川博義、豊谷純:パルス音源を用いたダクト開口端反射減衰の3次元音響解析−断面形状のアスペクト比の違いによる比較検討,日本音響学会2016年度秋季研究発表会, 2016年09月
2. 首里卓美、塩川博義、豊谷純:差分法を用いたダクト開口端反射減衰の2次元数値解析,日本音響学会2015年秋季研究発表会,2015年9月