from copen31:信号機の音



写真はコペンハーゲン市内にある信号です。
 こちらの信号機は日本と違って、すべて縦です。上から下へ、赤、黄、青となっております。
高さも大体3mくらいのところにあり、縦ですので、手を伸ばせば、一番下が届くくらいの高さです。
歩行者用の信号はさらに低く、身近に感じます。
もちろん、上が赤で下が青です。青の人はこちら側からみて左を向いています。
これはおそらく日本と同じではないかと思います。
ドイツでは右を向いていると聞いたことはありますが、確かめていないので定かではありません。

 さて、音ですが、全部の歩行者用の信号が音を発しているわけではありません。だいたい、駅の近くか、人通りの多い交差点の信号機に取り付けてあります。音は前にお話しした電車の音と同じ

ピ、ピ、ピ

というシンプルな機会音です。
 赤の時が、大体2秒間くらいに1回、青の時は、その間に4回鳴ります。
ですから、赤から青になったとき、結構せかされている印象を受けます。
この音がどこから鳴っているかと言いますと、
円の直径が10cm、長さにして50cmくらいの黒い円筒が、信号機を下から支えている円柱の横に取り付けてあります。高さは80cmくらいですかね。
これは、円筒の上部がですよ。ですから、下部は50cmを引いて30cmくらいですか。計ってはいないですけれども、だいたい見た感じそのくらいです。
中には信号機が独立して、地面からにょきっと生えているのもあります。
この黒い物体から機械音が発信されています。

 音の大きさは小さいです。
 5mも離れれば、だいたい暗騒音に隠れて、かすかに聞こえるかなというくらいです。
交差点ではなく、ひとつの道路に歩行者が渡るための信号機がある場合、気持ち大きめに出ているように感じますが、レベルを計っていないのでわかりません。
 十字路の交差点では、1コーナーに2つ歩行者用の信号機があるわけで、片方が赤のときにはもう一方は青ですので、2種類の異なった時間間隔の音がだいたい5mくらい離れて一緒に鳴っているわけです。夜、暗騒音が小さいときには片方の音もはっきり聞こえます。鳴っている時間帯はわかりませんが、夜12時近くまでは鳴っていることを確認しましたので、おそらく一日中鳴っているのでしょう。

1998年5月15日(金)書く。


from copen32:ビール工場



カールスベアのビール工場内部です。
 先日、カールスベアのビール工場へ見学に行ってきました。日本ではカールスベアをカールスバーグ、ツボーをツボルグと呼んで、この2つがデンマークのビールとして有名ですよね。
 実はこの2つともカールスベアの会社でつくっているのです。
ツボーは、カールスベアに吸収合併されて今はビールの名前だけ残っています。
ビールは何と言っても、デンマークの経済と文化を支えている飲み物ですから、コペンハーゲンに来てこの工場見学に参加しないのは、失礼にあたると思い、参加した次第です。
見学ツアーは午前10時と午後2時の2回あり、デンマーク語と英語のツアーがあります。無料です。
 見学は、ビールの製造過程、世界のビールのコレクション、ビール瓶の再利用についてなどバラエティに富んでいます。特に印象的だったのは、ビール瓶の再利用です。
 デンマークには缶ビールというものがほとんどありません。
 実際、この工場見学でもビール缶は見ませんでしたし、街中でも、5月1日に例の公園で缶ビールをケースで持ってきて売っていた人が一人いただけで、それ以外いままでお目にかかったことがありません。
 で、このビール瓶は、日本でいう小瓶にあたると思いますが、だいたい1本の寿命が5年から6年で、30数回使用されるそうです。ビール瓶の回収率は78%で、コペンハーゲン市内へ出されたものはだいたい回収されるということです。20%はほとんど海外へ行ってしまう分なのでしょう。
 建物も1800年代後半の歴史的に価値のあるものが数多くあり、現在も使用されております。こちらも一見の価値があります。
 私が参加した英語のツアーは20人ほどいて、アイルランドとイングランドから来た二人がかなりのビール通で、ガイドの人が英語で説明できないところを補っていろいろと補足説明したり、また、たまに意見が食い違い、結構、熱のこもった討論をしていました。
このツアーのお楽しみは、最後にビールがただで飲めることです。私は上記の二人のビール通と同じ席だったので、圧倒されてあまり飲めませんでしたが、それでも2本飲みました。

とにかく、デンマークに来たらビールは飲まなくては!

1998年5月20日(水)に書く。


from copen33:瓶およびペットボトルの回収



カールスベアのビール工場内部です。
 前回にビール瓶のことについて触れましたので、その回収方法についてお話します。

 ビール瓶はすべて小瓶で、日本みたいに中瓶や大瓶はありません。どの銘柄のビールも同じサイズの瓶を使っています。これを、スーパーやキヨスクなどでだいたい1krで引き取ってくれます。
 ジュース類はおもにペットボトルで、瓶や紙パックでも売られています。缶はやはりありません。ですから、よくコーラのペットボトル(だいたい500ml)を手に持って電車やバスに乗り込んでくる若者をよく見かけます。
 ペットボトルもサイズによって値段が異なりますが、引き取ってくれます。ペットボトルも洗って何回か使用するのかもしれません。スーパーでペットボトル入りのジュースなどを買うとすでに使用しているような形跡がありますので。よくわかりませんが....
 また、リサイクルマークのあるワインやウイスキーなどの瓶は、値段はよくわかりませんが、やはり引き取ってくれるみたいです。私は、まだ、ワインやウイスキーを買っていませんので、このリサイクルマークというものがどういうものかよくわかりません。
 スーパーに瓶等を引き取る窓口があるのですが、常時開いているわけではありません。引き取ってもらいたいときは、窓口にある呼び出しボタンを押して、係員を呼びます。その音がキンコンキンコンと結構うるさく、最初聞いたとき、バーコード付きの品物がチェックされないで、反応して鳴っているのかなと思っていました。
特に、土曜日は、みなビールケースを抱えて持ってきますので、スーパーの中は、この音が鳴り響いています。
 それ以外の瓶は、街中にある大きな瓶回収箱に入れます。場所によっては色つきの瓶と透明の瓶を分けて回収するところもあります。これはだいたい直径2Mくらいの上に行くにしたがって、ちょっと広がっている円柱の入れ物で高さが140cmくらいあるかな。
非常に大きな入れ物で、回収するときにはクレーン付きのトラックで持ち上げて回収していきます。

以上、瓶およびペットボトルの回収についてでした。

1998年5月20日(水)に書く。


from copen34:ビールのつづき



デンマークのビールです。
 今日は、昨日が昇天祭で休日、そして、明日は土曜日という休みの谷間の日です。水曜日に、「金曜日を休めば4連休になるので、半分近くの人は金曜日は休むだろう。」といわれて、「そうか。」と思いながらも出勤したら、半分どころかこの建物には、ほとんどの人がいません。閑古鳥が鳴いています。
 1階は秘書が一人だけ。2階は大学院生を含めて5人(建物は2階建てということは前に話しましたよね。)。私も入れてですよ。まるで休日出勤しているみたいです。しかし、どうしてこう簡単に休めるのでしょう。水曜日に言われたことは、今考えれば、
「おまえも休んだらどうだということだったのか。」
と悔やまれます。こういうときにも、出勤してしまう日本人の性。なかなか、コペンハーゲン市民にはなれないな...

 と、前ふりをしといて、また、ビールの話です。
またか、と思われるでしょうが、私も、いいかげん他のことを書きたいのですが、皆さんがいちばん知りたいこビールの値段を話すことを忘れていました。
知りたいですよね。これを読んでいる人にはビール好きが多そうなので。

では、本題に入ります。

ビールはですね、メーカーによって値段は異なりますが、スーパーマーケットで買うと、
330mlの小瓶(これしかないのですが)で、カールスベアやツボーのピルスナーでだいたい5kr。(1krがいま約19.5円です。)
約100円ですね。これは高いほうです。だいたいというのは、時期によって安売りをするので、値段が変動します。私がお勧めするHARBOEというメーカーのピルスナーは、2.25kr。なんと約45円です。このビールは値段の割においしいです。飲むと喉から鼻にかけてホップの味がキュッと走ります。
 アルコール度が3%と低いLIGHTというビールはストライキの時期には2.0krでしたが、今は1.5krで売っています。約30円ですよ。
 一番安いので、6本で5.5krというのを買ったことがあります。これはDANSK CLASSICというビールで、山積みになって売っていました。
 ほんとうかなと思って買ってみたのですが、本当でした。1本1kr切っているのですからね。瓶代より安い。約18円。これより安かったビールはお目にかかっていません。

 限定発売のビールも結構あって、イースターのときしか手に入らないものもあります。また、アルコール8%や12%という高い度数のビールもあります。これらのようなちょっと特別なものや、ロイヤルとかエキスパートというような高そうな名前のビールは7krとか8krするものもあります。でも、これらも、たまに安くなって5krくらいで買えます。飲み心地もそれなりに美味しいです。
 上記の値段は、すべて日本で言う消費税に当たる付加価値税25%の税金込の値段です。ただし、会計するときに、これにビール瓶代1.25krが加算されます。ですから、レシートを見ると、ビールの下に必ず瓶の項目があり、1.25krと表示されています。

一応、瓶の回収値段(というより瓶代ですね。)ですが、

ビールは、上記のようにすべて1.25kr。
ペットボトル500mlが2.25kr。
ペットボトル1.5リットルが4.5kr。

です。
ちなみに、私がよく買うオレンジジュースのペットボトル1.5リットルが6.95krです。これに、上の4.5krが加算されるわけです。そして、飲んだ後、空ボトルを回収窓口に持っていくと4.5krが戻ってくるわけです。

是非一度、こちらに来てビールを味わってみてください。
新米、コペンハーゲン市民より。

1998年5月22日(金)に書く。

from copen45:ロイヤルミュージックアカデミーホール



写真はロイヤルミュージックアカデミーのコンサートホール内観です。
 Acoustic Ecology 国際会議のオープニングセレモニーがスウェーデンのストックホルムにあるロイヤルミュージックアカデミーのコンサートホールで1998年6月9日に行われました。
 このコンサートホールは1878年に建てられ、かたちはシューボックス型で両側廊2階に木造のバルコニーがあります。収容人数は600人で一階中心部の椅子は基本的に木でできており、座る部分が赤い布で折りたたみ式です。
 ロイヤルアカデミーの人の話によれば、古さはストックホルムでは2番目のコンサートホールらしいです。一番古いホールは「Riddarhuset」、日本では「貴族の館」と呼ばれている建物の中にある「The Great Hall」で、1641年から1672年の間に建てられ、音楽ホールとして使われはじめたのが、1731年からだそうです。行ってみましたが、音楽ホールというより、大きい会議場という感じでした。まあ、最初は国会等など会議をするために造られた訳ですから納得がいきます。400人収容できるそうです。ですから主にに音楽を目的として建てられたコンサートホールとしては、ロイヤルミュージックアカデミーのコンサートホールがおそらく一番古いのでしょう。
 ここでは、あのギターの巨匠セゴビアが1927年4月20日に演奏しています。そのときの録音なんていうのはあるのかな。
 当日、ボーカルとピアノそれにパーカッションの演奏を聴きました。半分も席が埋まっていなかったので、ピアノやパーカッションは多少響きすぎているように思えましたが、最初のボーカル4人によるスウェーデンのフォーク音楽は逆にきれいに響いていました。視覚的にも美しいホールです。
 当日は、エントランスホールでロシアのストリートミュージシャンがセレモニーが始まる前に演奏していました。巨大なバラライカのベースと名前は知りませんが、3弦のマンドリン2台、そして、アコーデオンという4人編成のバンドでした。このグループは中央駅の地下でいつも演奏しています。後日、何回も見ましたから。

1998年6月18日(木)に書く。