大観楼には長い対句があることで有名。
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写真は大観楼に掲げられた書。 |
中国の建物には、門の左右の柱などに対句が掲げられている。「聯(れん)」と呼ばれる。
大観楼には90文字からなる対句があり「古今第一長聯」などと称されている。
この詩を作ったのは、孫髯翁(スンザンブン)。日本語にすると「髭のおじさん」である。
孫という性は分かっているものの、名前は不明。ひげを生やしていたので、こう呼ばれた
らしい。この人物は、清の時代に開かれていた詩の会に現れ、著名な詩人たちの作品を
批判した。見知らぬ髭面の男に腹を立てた詩人たちは、詩作を迫った。その時に作った
のが「五百里滇池眼底に奔来す」で始まる「古今第一長聯」であった。一座の者たちは
いたく感心し、大観楼に掲げることにした。
「漢は楼船を習い 唐は鉄柱を標し 宋は玉斧(ぎょくふ)を揮い
元は革嚢(かくのう)に跨る」
詩の一節には雲南の歴史も描写されている。「漢は楼船を習い」とは滇池に関わる史実
である。かって滇池には、たくさんの船が行き交っていた。今は観光船があるくらいだが、
昔は強力な海軍があったという。