物語りを秘めた雲南名物料理の麺「過橋米線」
昆明をはじめとする雲南の町では必ず「米線」屋を目にする。「米線」とは米から作った麺
のこと。日本の「にゅうめん」に似ている。様々な種類があり、特に「過橋米線」が有名である。
町中の店で注文すると、煮えたぎったスープの入った大きな椀といろいろな具、そして山盛り
の麺が運ばれてきた。具は薄切りにした鶏肉や豚肉、湯葉、ウズラの卵のほか、もやしなど
の野菜である。
食べ方を教えてもらった。まず、ウズラの卵を最初にスープに入れる。次に肉、少し経って
から野菜、麺は最後に入れる。こうするとそれぞれの具がうまい具合に煮える。
「過橋米線」が誕生したのは百年ほど前のこと。ヴェトナム国境に近い蒙自(モンツー)が発
祥の地である。この名物が生まれた背景には、一つの物語があった。
蒙自に住むある男が科挙を目指して勉強していた。毎日、池の真ん中の建物で読書してい
た彼のもとに、妻が橋を渡って料理を運んだ。だが、読書に熱中するあまり、すぐに料理を口
にすることはなかった。男はいつも冷めた料理を食べることとなり、そのうち料理を残すように
なった。妻はなんとかしようと考え、器に熱いスープを入れ、鶏の油をたらしてみた。こうすると
スープは油の膜に覆われて、冷めにくくなった。この中に具と麺を入れると、いつでもおいしい
米線が食べられるようになったという。そこから「過橋米線」と呼ばれるようになった。
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.「米線」はボリュームもあって安く、雲南の定番メニューとなっている。値段は10元(130円)くらいから60元(780円)くらいのものまで様々。地方や店によって、味や具材が微妙に異なる。あちらこちらで食べ比べるのも楽しい。 写真(1)(2)は滇池のレストランで食べたもの。スープはキジから取ってあるそうだ。 |
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店員がスープに具を入れてくれているところ。 |
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(3)は金殿近くのレストランのもの。ウズラの卵は必ず付いているが具、盛り付けも微妙に違う。 このほか昆明市内でも食べてみたが、自分でセットしてたら写真の方は忘れてしまった。 |
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