GNO2 備忘録
ヴィジュアルヒストリー

 

一年戦争が勃発する ■一年戦争が勃発する
UC0079 09/06
宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んで来た。新兵器モビルスーツを擁するジオン軍は連邦軍の駐留艦隊を圧倒し、わずか40時間でサイド1・2・4を壊滅させる。さらにジオン軍はスペースコロニー「アイランド・イフィッシュ」に核パルスエンジンを装着し、連邦軍本拠地ジャブローに向けて降下させるという暴挙に出たのであった。
辛くもジャブローへのコロニー落着を阻止した連邦軍は、宇宙戦力を結集して反撃に出る。しかし、サイド5・ルウムで行われた会戦で、連邦艦隊はまたしてもモビルスーツの猛威の前に敗れ去った。艦隊は壊滅的な損害を受け、司令官のレビル将軍も捕われの身となる。
かくして後に「一年戦争」と呼ばれることになる戦いは、ジオン軍の圧倒的勝利によって幕を開けたのであった。
そしてこの1ヶ月あまりの戦いで、人類の総人口の半数が失われたのである。
地球侵攻作戦が開始される ■地球侵攻作戦が開始される
UC0079 09/06
開戦以来の赫々たる戦果を背景に、ジオン公国は連邦政府に対し休戦条約の締結を申し入れる。それは事実上の降伏勧告であったが、度重なる敗北に打ちのめされた連邦にはもはや選択の余地はないように思われた。
だがルウム戦役で捕虜となっていたレビル将軍が奇跡の生還を果たし、事態は一変する。レビル将軍派ジオンの国力が著しく疲弊していることを明らかにし、連邦政府はそれを受けて徹底抗戦を決意するのであった。
短期決戦の思惑が外れたジオン軍は、ついに地球への侵攻を開始する。第一次降下作戦の目標はユーラシア、黒海沿岸地域。長期戦を行うための鉱物資源確保が目的であった。
衛星軌道および月面からの戦略爆撃によって連邦軍の戦力を削いだ後、ジオン軍は一斉に地上への降下を開始する。
かくして戦いは新たな局面を迎え、戦火は地球をも包み込んでいくのであった。
V作戦が最終段階を迎える ■V作戦が最終段階を迎える
UC0079 09/07
大戦序盤において連邦軍が大敗を喫した最大の原因が、ジオン軍の新兵器「モビルスーツ」にあることは明らかであった。しかし連邦軍内部には敗因を敵の奇襲攻撃に求め、いまだにもビルスーツの開発に反対する保守的な勢力が存在していた。
レビル将軍はそうした保守派の反対を押し切り、MS開発計画「V作戦」をスタートさせる。V作戦は鹵獲したジオン軍のザクの調査に始まり、モビルスーツに関する基礎研究から開発・生産、更にその運用法の確立や母艦の建造にいたるまでを含んだ壮大なプロジェクトであった。
本来これほどの計画が実現するには長い期間を要するはずであったが、レビル将軍の政治力とスタッフの熱意により、V作戦は驚くほどの短期間で成果を上げようとしていたのである。
ガンダム大地に立つ ■ガンダム大地に立つ
UC0079 09/09
連邦軍のMS開発計画「V作戦」は、辺境のコロニー・サイド7で最終段階を迎えていた。データ収集用の試作モビルスーツ「RXシリーズ」による運用試験が終了し、母艦「ホワイトベース」による収容を待つばかりとなっていたのである。
しかしこれを察知したジオン軍は特務部隊を派遣し、サイド7を襲撃する。この攻撃によりホワイトベースは損傷し、多数の試作機やパーツが破壊され、コロニー自体も大きな損害を受けてしまう。
だが戦いの中起動したRXシリーズの最新鋭機「RX-78 ガンダム」は、ザク2機を撃破して敵部隊を退けたのであった。そしてホワイトベースは残った試作機と難民たちを乗せ、サイド7を出港する。だがそれを追跡するのは、ジオンの“赤い彗星”シャア・アズナブルであった……。
フラナガン機関が設立される ■フラナガン機関が設立される
UC0079 09/11
ジオン・ダイクンの提唱した人類の革新「ニュータイプ」。ジオン軍はその研究のため、サイド6のパルダ・コロニーに嘱託の研究機関を設立した民間人の研究者フラナガン博士を主宰に迎えたこの組織は「フラナガン機関」と命名され、表向きはあくまでも民間団体であった。
しかしフラナガン機関を統括しているのはザビ家の実力者キシリアであり、その真の目的がニュータイプの軍事利用であることは明白であった。やがてフラナガン機関はニュータイプ用インターフェイス「サイコミュ」の実用化に成功し、ニュータイプの軍事価値を決定的なものとするのである。
ホワイトベースが北米に降下する ■ホワイトベースが北米に降下する
UC0079 09/14
ホワイトベースは大気圏突入時にジオンの攻撃を受け、ジャブローへの軌道を外れて北アメリカに降下してしまう。北アメリカにはちょうどジオン軍が侵攻しており、ホワイトベースは友軍との合流もままならぬまま敵の攻撃にさらされることになった。
ジオン北米方面軍司令官ガルマ・ザビは自ら部隊を率いて追撃作戦を展開し、ホワイトベースを何度となく窮地に追い込む。そして戦いの末ホワイトベースは西海岸地区のS-3ポイントに追い詰められ、その命運は尽きたかに思われた。
しかし廃墟となった市街地で目標を見失ったガルマは、待ち伏せ攻撃を受けて戦死する。そしてホワイトベースは敵軍が混乱している隙を突き、太平洋へと脱出したのであった。
北アメリカの防衛に失敗する ■北アメリカの防衛に失敗する
UC0079 09/14
ジオン軍が第二次降下作戦の目標に選んだのは北アメリカ地域であった。多くの軍事・工業施設と広大な穀倉地帯を有するこの地域は、ジオン軍が長期戦を行う上で見逃せない価値を持っていたのである。そのためジオン軍は第一次降下作戦に倍する2個起動師団を投入し、必勝を期して北米降下作戦を開始した。
もちろんこの地域の重要性を理解している連邦軍も、必死の抵抗を見せる。しかし北米大陸はコロニーの破片の落下により多大な被害を受けており、またもビルスーツを擁するジオン軍との戦力差は埋めがたいものがあった。
やがて連邦軍の抵抗は各地で費え、ついに司令部は北アメリカ地域の放棄を決定する。かくしてジオン軍は北アメリカ地域の制圧に成功したのであった。
ガルマ・ザビの国葬が行われる ■ガルマ・ザビの国葬が行われる
UC0079 09/15
ホワイトベース追撃戦において戦死したザビ家の末子、ガルマ・ザビ。前途を嘱望され、国民にも広く愛されていた若きプリンスの死は、ジオン公国全体に大きな衝撃を与えた。ジオン公国総統ギレン・ザビはこの事態を受け、国民を動員しての盛大な葬儀を挙行する。ズム・シティにおいて開催されたガルマの国葬とギレンの追悼演説は、ジオン公国全土はもちろん、地球圏全域に向けて放映された。
「我々は一人の英雄を失った。しかしこれは敗北を意味するのか?否、始まりなのだ」「私の弟、諸君らの愛してくれたガルマ・ザビは死んだ!何故だ!?」「国民よ立て、悲しみを怒りと変えて!立てよ国民、ジオンは諸君らの力を欲しているのだ!」
ギレンの意図した通り、ガルマ・ザビの国葬は多くのジオン国民の戦意を高揚させた。しかしそれと同時にこの放送は、肉親の死すらプロパガンダに利用する、冷酷な独裁者の姿を世界に示すことになったのである。
ホワイトベースが東アジアに上陸 ■ホワイトベースが東アジアに上陸
UC0079 09/23
北アメリカを脱出したホワイトベースは、太平洋を横断して東アジアにたどり着いた。しかし前の戦いで北米方面軍司令官ガルマ・ザビを失ったジオン軍は、その仇討ちのため新たな刺客を差し向けてきた。
ゲリラ戦のエキスパートである“青い巨星”ランバ・ラルと、彼の率いる特務部隊である。百戦錬磨のランバ・ラル隊の追撃を受け、ホワイトベースはかつてない危機を迎えることになった。
中央アジアの砂漠を舞台に何度も戦闘が繰り返され、ホワイトベースは何度となく追い詰められる。しかしラル隊もまた味方から充分な補給を受けられないまま、徐々に消耗していった。そして壮絶な白兵戦の末にランバ・ラル以下の隊員は全滅し、ホワイトベースは九死に一生を得たのであった。
アフリカの防衛に成功する ■アフリカの防衛に成功する
UC0079 09/23
ジオン軍の地球降下作戦の最後の目標となったのはアフリカ地域であった。国力に不安を抱えるジオンにとって、この地域に埋蔵されている鉱物資源と化石燃料はなんとしても入手すべき戦略物資である。加えてアフリカには連邦政府の支配に反抗する勢力も多いジオン軍は今後の地球制圧も見据え、残る地上戦力を結集してアフリカ降下作戦を開始した。
しかし広大なアフリカの大地と厳しい気象条件は、ジオン軍にとってはあまりに過酷であった。さらに連邦軍の地の利を生かした反撃にも苦しめられ、ジオン軍はじりじりと戦力を消耗していったのである。
ダカール、キリマンジャロなどで激烈な戦闘が繰り広げられた末、アフリカ方面軍司令官ノイエン・ビッターはついに作戦の中止を決断する。かくして連邦軍はアフリカ地域の防衛に成功したのであった。
ビンソン計画が発動する ■ビンソン計画が発動する
UC0079 09/24
ジオン軍の新兵器「モビルスーツ」により、緒戦において連邦軍の艦隊戦力は壊滅的な損害を受けた。戦場の王者であった宇宙戦艦は、その座をMSによって奪われたのである。連邦軍はジオン軍に対抗するためMSの開発を急ぎ、艦隊戦力の再建は一時棚上げとなった。
しかし連邦軍が宇宙での反攻作戦を進める上で、艦隊戦力の再建が必要不可欠であることも事実であった。また連邦軍内部においては大鑑巨砲主義に固執する保守派も数多く存在していたのである。かくして連邦軍は宇宙艦隊再建計画「ビンソン計画」を実行に移した。
ジャブローの宇宙船工廠においてマゼラン級戦艦やラサミス級巡洋艦が次々と建造され、基地内のドックで出撃の時を待った。この計画により建造された艦船は300隻に達するとも言われ、連邦の恐るべき生産力を示すものとなったのである。
ホワイトベースが再び襲撃される ■ホワイトベースが再び襲撃される
UC0079 09/28
ジオン軍のランバ・ラル隊の攻撃を退けたホワイトベースは、南アジアの友軍基地マドラスへ向かった。しかしジオン軍は新たな刺客として、グラナダ基地から“黒い三連星”を派遣してくる。
“黒い三連星”は開戦当初の戦いで赫々たる戦果を上げたジオン屈指のエースパイロットチームであり、度重なる戦闘で疲弊したホワイトベースにその攻撃を防ぐ力はないかに思えた。
ホワイトベースの苦境を救うため、マチルダ・アジャン中尉の指揮する第136補給部隊が派遣されるが、ジオン軍の攻撃の前に補給を果たせず全滅する。そして激烈な戦闘の末に消耗しきったホワイトベースは、ついに“黒い三連星”によって撃破されてしまうのであった。
サイド4反攻作戦が失敗する ■サイド4反攻作戦が失敗する
UC0079 10/03
サイド4・ムーア。かつて10億人が暮らしていた宇宙都市は、いまや廃コロニーと残骸が浮遊する暗礁宙域と化していた。しかしこの宙域はジオン軍にとってソロモンと地球を結ぶ重要な補給ルートであり、そのため連邦軍の反攻作戦の第一目標として選ばれることになった。
ルナ2を進発した連邦艦隊は、ルナ2基地司令官ワッケインの指揮の下サイド4へと進行、敵補給ルートの遮断を図る。この宙域の防衛戦力が手薄だったジオン軍は一時後退を余儀なくされるが、ソロモンから援軍が到着すると攻守は逆転し、戦いの主導権を握った。
激戦の末連邦軍はサイド4制圧を断念し、艦隊はルナ2へと後退する。開戦以来始めての連邦軍の攻勢は、ジオン軍によって撃退されたのであった。
アルバトロス隊が襲撃される ■アルバトロス隊が襲撃される
UC0079 10/06
RX-78シリーズの陸戦用再設計機「RX-78XX ピクシー」。連邦軍の輸送部隊「アルバトロス」はその試作機を輸送中、ジオン軍の特殊部隊「ウルフ・ガー」の襲撃を受ける。ようやく逃げ込んだ辺境の基地にもウルフ・ガーの追撃は及び、アルバトロス隊の護衛隊長ボルク・クライは、上官の制止を振り切ってピクシーを起動させる。
戦いの中、両軍の兵士は次々と倒れていき、ついにボルクの乗るピクシーと、ウルフ・ガーの隊長ヘンリー・ブーンの駆るイフリートだけが残される。そして壮絶な一騎打ちの末に勝利を収めたのは、ボルクのピクシーであった。
RX-78ガンダムの量産を開始 ■RX-78ガンダムの量産を開始
UC0079 10/07
RX-78ガンダム。連邦軍が総力を挙げて建造したその機体は、ジオン軍のザクを遥かに凌ぐ性能と、あらゆる環境下でその性能を発揮する汎用性とを備えていた。しかしその開発目的はあくまで量産型MS開発のためのデータ収集であり、その役割を終えた後は戦場に赴くことなく消えていくはずの機体であった。
しかしサイド7の開発施設がジオン軍に襲撃されたことをきっかけに、RX-78の運命は激変する。
最前線での戦いに投入された白いMSは異常なまでの戦果を上げ、ジオン軍を震撼させたのである。
やがて前線の部隊から「ガンダム」を求める声が上がり始め、量産型MSの配備が始まった後もその声は高まるばかりであった。そして連邦軍首脳部は「ガンダム」が  敵味方の士気に与える影響を考慮し、遂にRX-78シリーズの量産に踏み切る。実験機であったRX-78は数奇な運命を経て連邦軍を象徴する機体となったのである。
大型モビルアーマーが出現する ■大型モビルアーマーが出現する
UC0079 10/10
連邦軍のMS開発・生産はようやく軌道に乗り、本格的な反攻作戦の準備は着々と整いつつあった。しかしジオン軍はかつての優位を回復すべく、新たな機動兵器の開発を進めていたのである。「アプサラス」と呼ばれる地上用大型モビルアーマーもその一つであった。
そして連邦軍の反攻作戦に際し、ジオン軍はその試作機を前線に投入する。その火力は圧倒的であり、迎撃に向かった部隊は大きな損害を被った。しかし機械化混成大隊所属・第08MS小隊の活躍もあり、ついにアプサラスは撃退されたのであった。
北米反攻作戦が成功する ■北米反攻作戦が成功する
UC0079 10/11
連邦軍が次なる反攻作戦の目標に選んだのは、ジオン軍の第二次降下作戦により制圧された北アメリカ地域であった。キャリフォルニアベースを初めとする多くの軍事施設を有し、ジャブローのある南アメリカに隣接したこの地域を奪還することは、連邦軍にとっては最優先課題の一つであった。
かくしてジャブローを進発した連邦軍は、ジョン・コーウェンの指揮の下、北アメリカ地域へと侵攻する。この作戦を察知していたジオン軍も必死で防戦にあたるが、限られた地上戦力を各地域に分散させざるを得ない現状では劣勢は明らかであった。
戦いを熾烈を極めたが、やがて戦力に勝る連邦軍の優勢が明らかとなっていく。遂にジオン軍は北アメリカを放棄して宇宙へと脱出、連邦軍は失地回復に成功したのであった。
ジオン軍の謀略が成功する ■ジオン軍の謀略が成功する
UC0079 10/16
両軍が対峙する最前線に墜落したジオン軍の輸送機「タンゴ2」。この機体の積荷が研究中の生物兵器「アスタロス」であると判明し、連邦・ジオン両軍による争奪戦が開始される。
連邦軍はMS特殊部隊「ホワイトディンゴ」を投入するが、ジオン軍の妨害は激しく「タンゴ2」に接近できない。業を煮やした司令部は、主戦場である宇宙から戦力を割いてアスタロス奪取作戦に投入する。しかし全てはジオン軍の陽動作戦であった。やがて宇宙ではウォルター・ターティス大佐率いるジオン軍部隊が攻勢を開始、地上に戦力を転用した連邦軍はこれを支えきれず、大きく後退するアスタロスを巡る謀略戦は、ジオン軍の勝利に終わったのである。
サイド4攻略作戦が失敗する ■サイド4攻略作戦が失敗する
UC0079 10/20
サイド4・ムーアはジオン軍の宇宙要塞ソロモンと同一の軌道を周回しており、連邦軍にとってはソロモン攻略の橋頭堡となる宙域であった。本格的な反攻作戦の発動に先立って、連邦軍はなんとしてもこのエリアを完全に制圧しておく必要があったのである。
かくしてティアンム提督率いる連邦艦隊がサイド4へと進攻し、この宙域の制圧を開始した。一方のジオン軍も、サイド4を失えばソロモンが危険にさらされることは充分認識しており、戦力を結集して防戦に努める。
MSの量産に続いて「ビンソン計画」で艦隊戦力をも再建した連邦軍であったが、やはり宇宙におけるMS戦においてはジオン軍に一日の長があった。激戦の末に連邦軍の継戦能力は尽き、遂にティアンムは作戦の中止を決定する。連邦軍はジオン本土防衛ライン攻略の足がかりを確保することに失敗したのである。
戦線が膠着する ■戦線が膠着する
UC0079 10/20
奇襲攻撃とモビルスーツの力により緒戦で大勝したジオン軍であったが、その勢いは徐々に衰えていった。戦略物資の確保を目的として地球へと進攻したジオン軍は、戦線の拡大と連邦軍の抵抗により着実に戦力を消耗していく。
やがて連邦軍がモビルスールの量産に成功すると、戦線は膠着していった。疲弊したジオン軍には地球を制圧する力はなく、一方の連合軍にもジオン本土に進行するような大作戦を行うだけの戦力はなかったのである。
かくして両軍ともに決め手を欠くまま、戦いはいたずらに長期化していった。後に「一年戦争」と呼ばれることになる戦いは、膠着したまま次なるステージを迎えようとしていた。
局地戦用機開発計画を採用する ■局地戦用機開発計画を採用する
UC0079 10/23
限定的ながらも量産され、前線に投入されたRX-78ガンダムは、予想通りの高い戦果を上げた。しかしその一方で、本来データ収集用の実験機であるRX-78を生産・運用することは、連邦軍にとって大きな負担となっていたのである。
そこで連邦軍は運用局面を限定した新機種を開発することで、機体の戦闘能力を向上させつつコストを抑えようとした。これが「局地戦用機開発計画」である。この計画によって開発された機体は、RX-78の特徴である汎用性こそ低下したものの、宇宙戦や砲撃戦など特定の局面では従来の機体を凌駕する性能を発揮し、連邦軍の戦力を大きく向上させることになったのである。
EXAM実験機が奪取される ■EXAM実験機が奪取される
UC0079 10/30
フラナガン機関の研究者クルスト・モーゼス博士は、彼が研究する「EXAMシステム」を完成させるべく連邦軍へと亡命した。ニュータイプの戦闘能力をコンピューター・システムに移植したEXAMは、フラナガン機関にあっては異端の発想であったが、ニュータイプ研究に立ち遅れた連邦軍にとっては理想的なシステムであるように思えた。
しかしジオン軍がモーゼスの裏切りを見逃すはずはなかった。ニムバス・シュターゼン率いる特務部隊が連邦軍の研究施設を襲撃し、モーゼス博士を殺害してEXAM実験機「ブルーディスティニー2号機」を奪取する。
しかしMS実験部隊のユウ・カジマはブルー3号機に搭乗してこれを追撃、至当の末にニムバスを倒す。ジオン軍のEXAM奪還作戦は失敗に終わったのであった。
マドラスの防衛に成功する ■マドラスの防衛に成功する
UC0079 10/30
インド亜大陸を中心とした南アジア地域は、古来東西交通の要所であり、宇宙世紀においてもその戦略的価値は少しも揺らいではいなかった。生命線であるユーラシア地域の維持のためにも、ジオン軍はこの地域を支配下におさめる必要があったのである。
かくしてジオン軍はマドラス攻略作戦を発動させ、南アジアへの侵攻を開始した。一方の連邦軍もこの地域を喪失すれば地上での劣勢が決定的となることは承知しており、インド南東部の要衝マドラスを中心に堅固な防衛ラインを築いてこれを迎撃する。
両軍はパンジャブ地域やマドラス近郊などで激突したが、戦力と地の利に勝る連邦軍の優位は動かなかった。激戦の末にジオン軍の継戦能力は限界に達し、敵司令部はやむなくマドラス攻略作戦を中止する。連邦軍は再び地上での主導権を奪い返したのであった。
アレックス試作機、破壊される ■アレックス試作機、破壊される
UC0079 11/06
ニュータイプ用ガンダム「RX-78NT-1 ガンダムNT-1」、通称「アレックス」。ニュータイプ研究において立ち遅れた連邦軍が、初めて開発したニュータイプ搭乗用の機体である。しかしこの機体の存在はやがてジオン軍の知るところとなった。「ニュータイプ用ガンダム」はジオン軍にとっては最大級の脅威であり、何としてもアレックスを破壊すべく特殊部隊「サイクロプス」が派遣される。
アレックスを搭載したシャトルは打上寸前にジオン軍特務部隊「サイクロプス」の襲撃を受けるが、護衛部隊はこれを撃退した。しかしジオン軍は執拗にその行方を追跡し、遂に宇宙でアレックスの運用試験を行っているG4部隊を補足する。再びサイクロプス隊が来襲し、アレックスは激闘の末に破壊されるのであった。このためアレックスの開発は、大幅に遅延することになる。
オデッサ作戦が成功する ■オデッサ作戦が成功する
UC0079 11/06
ヨーロッパとアジアの間に位置し、黒海を中心に広がるユーラシア地域。国力に乏しいジオンにとって、豊富な鉱物資源と重工業地帯を有するこの地域はまさに生命線であった。だからこそ連邦軍は総反攻作戦の第一目標として、ユーラシア地域を選択したのである。
かくして連邦軍は「オデッサ」作戦を開始した。作戦の指揮を取るのは総司令官レビル将軍その人である。一方のジオン軍も地上戦力を結集して、背水の陣でこの戦いに臨んだ。クルスクでは両軍の主力部隊が激突し、最重要拠点オデッサを巡っては双方ともに死力を尽くした戦いが繰り広げられた。しかし戦いが進むにつれ、次第に戦力で勝る連邦軍の優勢が明らかになっていった。
やがて継戦能力の限界に達したジオン軍は宇宙へと撤退を開始し、ユーラシア地域は連邦軍の手に落ちる。そして最大の資源供給地を失ったジオン軍は、以後守勢に立たざるを得なくなるのであった。
強化人間が実戦配備される ■強化人間が実戦配備される
UC0079 11/08
ジオン軍が実戦投入したニュータイプと専用兵器の威力は、連邦軍を震撼させた。しかし連邦はニュータイプに関する研究においてはジオン軍に比べ10年以上も遅れており、尋常な手段ではこれに対抗できるだけの人材や兵器を用意することはできなかった。
そこで連邦軍NT研究所は極秘裏に、「強化人間」の育成に着手する。これは薬物投与や精神操作などによって人工的に作り出されたニュータイプである。しかしその育成過程は人体実験に等しいものであり、被験者は心身の障害に苦しめられることになった。
かくして生み出された最初の強化人間が「プロト・ゼロ」である。彼は実戦テストにおいて予想通りの戦闘能力を発揮したが、コロニー落としのトラウマを利用した精神操作が施されているため情緒不安定で、味方を攻撃して脱走するという事件を引き起こしてしまう。結局ゼロは追撃隊に拘束され、研究所で再調整された後、前線部隊へと転属させられることになったのであった。
サイド2制圧作戦が失敗する ■サイド2制圧作戦が失敗する
UC0079 11/16
サイド2・ハッテは開戦当初の戦闘により壊滅し、廃コロニーと残骸が浮遊する暗礁宙域と化していた。しかしこの宙域はグラナダ・ルナツー・地球の3つを結ぶルートが走る重要エリアであり、無人の廃墟となった後も大きな戦略的価値を有していたのである。
反攻作戦を進める連邦軍はサイド2宙域の制圧を図り、ルナツー基地より艦隊を出撃させた。一方のジオン軍もグラナダより機動部隊を発進させ、これを迎え撃つ。かつてコロニー落としの出発点となった宙域は、再び戦火に焼かれることになったのである。
連邦軍は地球軌道艦隊を投入して敵防衛線を突破しようとするが、宇宙戦においては装備・練度の両面でジオン軍が優越しており、苦戦を余儀なくされている。そして激烈な戦闘の末に連邦軍の敗色が濃厚となり、遂に司令部はサイド2宙域の制圧を断念したのであった。
正統ジオンが結成される ■正統ジオンが結成される
UC0079 11/16
連邦軍の反攻作戦によってユーラシア地域を失ったジオン公国では、上層部での内部抗争が激しさを増していた。総帥ギレン・ザビと彼に継ぐ実力者キシリア・ザビが、軍の指揮系統の再編を巡って対立を深めていたのである。やがてギレンはキシリアの逮捕に踏み切るが、部下の手によって救出されたキシリアは彼女の牙城というべきグラナダへと逃亡する。
指揮下の部隊を率いてグラナダを掌握したキシリアは、「正統ジオン」を名乗ってギレンに反旗を翻す。ザビ家内部の権力闘争は、遂にジオンを二つに分けた戦いへと発展したのである。
しかしグラナダの駐屯戦力を再編成したに過ぎない正統ジオン軍の戦力不足は明らかであった。ジオン軍の討伐艦隊の攻撃によりグラナダ基地は制圧され、キシリアも死亡する。しかしこの事件は独裁国家のはずのジオン公国のもろさを、内外に示すことになったのである。
GP02Aの奪還に成功する ■GP02Aの奪還に成功する
UC0079 11/21
激化するMS開発競争に勝利すべく、連邦軍は「ガンダム開発計画」を発動させてさらに高性能のガンダムを開発しようとする。しかしようやく完成した試作2号機「GP02A」は、運用試験直前にジオン軍によって奪取されてしまう。GP02Aは核攻撃を目的として開発された機体であり、機体には核弾頭が装備されていた。この緊急事態に際し、連邦軍は新鋭艦アルビオンを派遣してGP02A奪還作戦を展開する。
GP02Aを奪取したのはジオン軍のエースパイロットであるアナベル・ガトーであり、アルビオン隊は苦戦を余儀なくされた。しかし激戦の末アルビオン隊は勝利し、GP02Aの奪還に成功する。最新のガンダムと核弾頭が敵の手に渡る事態は、何とか回避されたのである。
ユーラシアの防衛に成功する ■ユーラシアの防衛に成功する
UC0079 11/26
ヨーロッパとアジアの間に位置し、黒海を中心に広がるユーラシア地域。豊富な鉱物資源と重工業地帯を有するこの地域を奪還されたことは、ジオン軍にとってはまさに痛恨事であった。だからこそ態勢を立て直したジオン軍は、真っ先にユーラシアの再制圧に着手したのである。
一方の連邦軍もこの攻撃を予想しており、オデッサを中心に重圧な防衛ラインを敷いてジオン軍を迎え撃った。またしてもユーラシア地域は戦火に包まれたのである。
しかし、かつてジオン軍が地球侵攻作戦を開始した時に比べ、連邦軍は装備も戦術も一新されていた。ジオンの攻撃は堅固な防衛ラインの前にことごとく弾き返され、遂に敵司令部はユーラシアの制圧を断念する。ジオン軍はオデッサの奪還に失敗したのである。
コロニー落としの阻止に成功 ■コロニー落としの阻止に成功
UC0079 12/03
ジオン軍の一方的な攻撃で始まった戦争は、今や一年にも及ぼうとしていた。連邦軍の反攻作戦は着々と進行しており、国力に劣るジオンに残された戦力は決して多くない。そのため連邦軍首脳部においても楽観論が支配的となりつつあったが、ジオン軍は戦局の挽回を図り、恐るべき計画を進行させつつあった。
作戦名は「星の屑」、ジャブローを狙ったコロニー落とし作戦である。廃コロニー「アイランド・イーズ」には核パルスエンジンが装着され、ジオン軍親衛隊の護衛のもと地球へ向けての移動を開始した。
この危機的な事態に対し、もちろん連邦軍も総力を挙げて阻止作戦を展開する。コロニーの破壊を試みる連邦艦隊と、それを妨害するジオン艦隊との間で激しい砲火が交わされ、美しい輝きが一つ起こる度に多くの命が宇宙の塵となっていった。
しかし開戦当初とは異なり、連邦軍にはコロニー阻止の切り札があった。対要塞兵器「ソーラ・システム」である。40万枚のミラーで集光された太陽光線は4000度の高熱をもってコロニーを焼き、これを崩壊させた。
かくしてジオン軍が総力を挙げて挑んだ起死回生の作戦「星の屑」は、地球にほとんどダメージを与えることなく失敗に終わったのであった。そして、もはやジオン軍には戦う力は残されていなかった……。
地球連邦が勝利する ■地球連邦が勝利する
UC0079 12/08
人類の半数を呑み込んだ史上最大の戦争は、地球連邦とジオン公国の間に終戦協定が締結されてことによって終結した。開戦当初こそモビルスーツの猛威と奇襲攻撃によって苦杯をなめた連邦軍であったが、反攻作戦の成功によりジオンを追い詰めることに成功したのである。
この協定によりザビ家とその支持者は権力の中枢から追放され、サイド3は地球連邦内の自治領「ジオン共和国」となって存続することになった。地球圏は再び地球連邦によって統一されたのである。
かくして後に“一年戦争”と呼ばれる戦いは、地球連邦の勝利に終わったのであった。