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4-2.等々力渓谷
 武蔵野台地の南端に位置する等々力渓谷は、大井町線等々力駅南にあるゴルフ橋のたもとから階段を下りると、渓谷入口。谷沢川沿いの約1kmが渓谷となっており、緑と土の匂いのなかを森林浴気分で歩ける。うっそうと茂る木々の緑、川の水音や小鳥のさえずりが静けさをひき立てる。
途中、等々力不動尊や等々力の地名の由来となった不動の滝がある。東京都区内でもめずらしい渓谷として知られ、東京都指定名勝のひとつである。
 渓谷の南端は多摩川河原から、わずか400mにあり、多摩川散策コースに、ここを含める人達も多い。
4.多摩川近隣スポット
等々力不動尊の石段下、谷沢川沿いには、湧水による不動の滝があり、かつてはこの滝にうたれて行をする修行僧が各地から訪れたといわれており、役の行者ゆかりの霊場と伝えられている。
不動滝は古くより知られ、清浄な渓谷にしぶきをたてて、轟いていたことから、等々力と地名が起こったともいわれている。
この滝の水はこれまでどんなに日照りが続いても涸れることが無かったといわれている。
渓谷の中程に位置する等々力不動尊は、真言宗の宗祖義大師が山城国(京都府)よりこの地に移したと伝えられる。境内は広く緑豊かで参拝者の線香の煙が絶えない。
散策の途中で疲れると、滝の前には休憩所がある。
因みに抹茶・おしるこ等各500円、甘酒300円。
どうしてかいつも若いOL風の人達が憩いをとっている。
渓谷内には等々力渓谷第3号横穴古墳がある。これは谷沢川の東斜面の崖に群集している横穴のひとつで、古墳時代末から奈良時代のものと推定されている。等々力渓谷横穴群は野毛地域の有力な農民の墓といわれ、その中でも3号横穴は完全な形で残っており、保存状態も良く、古墳の中には照明もあって外からも古墳内を見ることができる。
この渓谷は、昭和8年に国から風致公園として指定されいるそうで、台地と谷の標高差は約10mもあって、騒音も渓谷の中までは届かず、都内とは思えないほどの鬱蒼とした樹林と渓谷美は武蔵野の面影をよくしている。渓谷には遊歩道が整備され、木洩れ日を浴びながらユッタリと雰囲気を楽しむことができる。
ゴルフ橋側入口
渓谷と遊歩道
等々力不動尊正面
境内
不動の滝
湧水汲み場
不動滝の谷沢川対岸の木立ちを少し入ったところに湧水の水汲み場がある。この水で抹茶やコーヒーをいれると格段においしいといわれ、近隣の人達は大きなビンに汲み持ち帰る姿がよく見られる。
お休み処
休み処の苔むした屋根が歴史を感じさせる
渓谷南端の川沿いに等々力不動広場がある。桜の木が一面に植えられており、花の季節は人で賑わう。
夏になると、この広場近くで蛍狩りなども催される。
3号横穴古墳
等々力不動広場
渓谷の紅葉
渓谷両岸のうっそうと茂る常緑樹、落葉樹の木々には紅葉する木も多い。中でもモミジは初冬の木洩れ日にその燃えるような赤を鮮やかに見せてくれる。