雪が降り積もると、今までそれほど気にしていなかった中洲の形がクッキリと浮かび上がる。自然が作り出す絵模様だ。
雪がふると、鳥達も餌をとるのを忘れたように、ただジィーと水面に浮かんでいるだけ。降りしきる雪は容赦無く鳥達にも降り注ぐ。
雪は河原も全てのものを覆って一面の銀世界を作り出す。眩しい。散歩の犬達は紐を解いてもらい大喜び。♪♪イーヌハヨロコビニワカケマワル・・・♪♪ の歌詞が口から出てしまう。
散策路も雪ともなると寒さを感じるより情緒があっていいものだ。しかし、これが融けはじめるとぬかるみとなって始末におえなくなる。
陽だまりの流れが緩やかなワンドは、水鳥達がユッタリくつろぐ姿も見ることができる。彼らは春には、また、北国へ飛び立ってしまう。
冬は水かさが一番少なくなる。普段は見ることができない川底の岩礁も顔を出す。川底の岩に流れが当たって白波を立てる。小川のせせらぎかと思わせる。
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冬は空気が澄んで晴れた朝には清々しい気分にもしてくれる。東京南部の多摩川からも薄っすら雪をかぶった丹沢山塊を前景に、真っ白な富士山を見ることができる。冬ならではの景色だ。
冬の散策路は人影も少ない。水面も寒風でさざなみが立ち、如何にも冷たそう。
河原の冬は如何にも寒い。遮るものが無い河原には北風が容赦なく吹きつける。ノンビリ散策というわけにはいかない。犬を散歩させる人がチラホラしている程度、釣人などは殆ど見当たらない。それでも冬には冬の趣きがある。
寒さと仲良くしつつ、暖かくなり花が咲く春まで、ひたすら我慢々々。
1-4. 我慢の冬