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八月盛夏、河岸の散策路を歩く。ジリジリと照りつける太陽、ムッと立ちこめる草いきれ、遠くで聞こえるセミの合唱、とにかく暑い。最近は梅雨明けが8月に入ってから、しかも宣言されてからも連日雨々。8月も後半になってから照りつけられるので身体中の水分が一度に噴出してくる。河原の植物も対応が出来ずグッタリおじぎしているものが多い。このページに紹介しようとしていた多摩川上空の入道雲や多摩川の花火が雨で中止となるなど予定が狂ってしまった。
それでも夏は流石に夏だ。暑い。
1-2. 涼風恋しい夏
平日の炎天下の散策路は人影もまばら。たまに犬を散歩させる人に出会う。
続夏草が生茂る河原。この時期咲いている花は少なく、一面に濃い緑一色。空の青さに良くマッチしている。時々ヘビの脱け殻を見つけてチョットドッキリ。★
長梅雨が明けて若者達が一斉に河原のグラウンドで動き出した。女子高生の黄色い歓声や男子学生の気合を入れる声などが河原一面にこだましている。でもさすがに暑さはこたえるようで、頭から水を被ったり、グランドへの散水でしばしの涼をとっている。
河原の暑さにひきかえ、水の中が涼しげでユッタリ泳ぐコイや、じゃれあって遊んでいるカメの子供を見るとホッと一息つける。★
河原の公園にあるライオンのベンチも暑くて、”グタ〜”としているように見える。
土手沿いの桜並木はセミ達が我がもの顔で大合唱。短い夏を楽しんでいる。本当は切実なのかもしれないが。★
子供は元気だ。バッタを追いかけて河原中を駆け巡る。バッタはナカナカ捕まってくれない。
保護色とは良くいったものだ。よく見ないと全く草葉と区別がつかない。どうしても追い出して、追いかけるしかない。
チョウも真夏の少ない花を見つけて忙しく蜜を吸っている。
緑一面の中に清楚に咲くヒルガオ。
花が少ない中で貴重な花だ。
クルミの実も日光を一杯あびて秋の実りに向って逞しく大きくなってきている。
川鵜も魚取りに疲れたのか、中洲に上がって羽根を乾かしている。暑さを忘れる風景だ。
河岸の藪に茂るヤブカラシも一斉に花を咲かせる。昆虫特にハチが好むようだ。★
河多摩川の水もキレイになってきて、アユが住めるまでになった。連日釣人が水に入って楽しんでいる。夏の風物詩となりつつある。★
太陽が西に空に沈む頃になると、あたり一面静寂が訪れ、川風が一段と涼しげになる。これで暑い夏の一日が終わる。★
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