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5-1.自然の力:その後
 台風・大雨は上流から大量の土砂を運んできただけでなく、流域の河岸をも抉り取って中洲に積み上げた。
 国土交通省の中でも話題になったようだ。
昨年(2002年)11月頃から川水が少なくなる時期に合わせて護岸工事が始まった。今度は人間の力が試される番だ。
 3月末に第一期工事を完了させ、6月には第二期工事も終った。2〜3回の自然の力に対抗した人力修復に8ヶ月を必要となった。今年の台風は大丈夫だろうか。
抉り取られた河岸
大きくなった中洲の真中を流れに沿って掘り下げ、新たな流れを機械力で作り、
掘り上げた土砂は護岸する河岸の前に工事用堤防として積み上げた。
護岸する河岸はバックホーで掘り下げ、その土砂はダンプで搬出。
ダンプトラックもフル回転、延べ何台となったか検討もつかない。
護岸工事用仮堤防の中は、砂利を通して染み出す水を四六時中ポンプで汲み出している。
護岸に使うテトラポットを現場打ちし、クレーンで積み上げていく。徐々に護岸された河岸が現れてきた。
第一期護岸工事も完了に近づき、工事用仮堤防も取り除かれ、新しい河岸となった。
第ニ期護岸工事は新年度予算を待っていたように4月から6月にかけて、一期工事と同一工法で行われた。工事中は台風にも遭わず無事完了。最近の傾向か環境を考慮してか護岸もテトラで護岸した後、土砂で覆って自然の河岸のような仕上げとなっている。ヨシが一面に生えていた河原も作業場として使われた後は整地され立派なグランドとなった。野球やサッカーで子供達も喜ぶことだろう。
完了した護岸工事。右手の第一期部分は既に草が覆い始めて緑色になっている。自然の営みが既に始まっている。
一夜で崩してしまった自然の力に対抗するためには、相当のお金を注ぎこむこととなった。