ま行から始まる作家さん


宮部みゆき

理由(新潮文庫) 宮部みゆきさんの本で初めて読んだのがこの本。
その時代に社会問題となったテーマを実にうまく盛り込んでおり、
半端な取材ではなかったことを想像させます。
時代の背景とそれに翻弄される人々の気持ち。そして犯人は誰?
 と謎が謎を読んで読者を飽きさせません。
難しいという人もいて、確かに宮部みゆきの他の作品と比べると複雑かもしれませんが、
読み応えがあって私は一番好きです。
火車(新潮文庫) 多重債務の問題を取り上げたお話です。
昔なら夢はがんばって手に入れるか、あきらめるかの二者択一だったのに、
今はクレジットでなんとか・・・という社会。
おかしい世の中だなー、日々そう感じていた私にぴったりの作品でした。


村上春樹

世界の終わりとハードボイルド
・ワンダーランド上・下(新潮文庫)
村上春樹の本はたくさん読んでいて、どれも面白いけど、作風が一貫しているので選びにくいです
(・・・言い方を変えればどれも同じということか)
 村上春樹の本に登場する主人公は、やたら料理がうまくて、女性にもてて、市民プールに通うのが好き、というのが、私の勝手な印象なのですが。
この本はそんな村上ワールドを出しつつ、一歩踏み込んだ感があります。
とどのつまり、精神世界のお話なのかもと思いますが、よくもまあ、こんなことを考えつくものです。
ノルウェイの森上・下(講談社文庫) 村上春樹の作品の中でたぶん、唯一現実世界を描いたものと思われます。
主人公と同じ大学生・緑との会話の中に作者の考えがちりばめられている気がして、
私など思いもつかない発想があって新鮮でした。
最後のレイコさんとのやりとりが切ないです。


マーガレット・ミッチェル

風と共に去りぬ1〜5(新潮文庫) 名作なので一度は読んだ方がいいかな?くらいな気持ちで読み始めました。
スカーレット・オハラの生き方に共感はできませんでしたが、
物語としても、アメリカ南部の歴史書としてもよくできているなと思います。
かねてからアメリカ人って実はとっても保守的なんだと感じてましたが、
これを読んでその思いがとても強くなりました。
バラク・オバマが大統領になったなんて奇跡ですね。