か行から始まる作家さん


角田光代

空中庭園(文春文庫) なんの隠し事もない明るい家族かと思いきや、読み進めていくうちにさまざまな隠し事が発覚します。
明るく優等生的な役回りの主人公の奥底に潜むどろどろとした感情。
どろどろなんだけど、かわいた感じの淡々とした文体が好きです。
八日目の蝉(中央公論新社) 実は本を買って読んだのではなくて、読売新聞の連載を読んでいたのですが、
次はどうなるんだろう?と毎日欠かさず読んでました。
不倫相手の子供を自分の子供として育てたくなって誘拐してしまうことからお話は始まってます。
もちろん、誘拐したことは犯罪なのですが、
読み進めていくとなぜかうまく逃げてほしいなという気持ちにさせられるところが、作者のうまさでしょうか。
後半は誘拐された子供が大きくなってからのお話で、なんだかとても切ないです。