・近況報告360

幸せ

ルカの勤務先は年末にかけてとても忙しいようで、休日出勤だけでは追いつかず、今まで残業していなかった人も残業するようにという通達があったとのこと。
ルカは残業といっても、30分くらいしかやったことがないのですが、本格的にやるとなると2時間残業になるということなのです。
勤務先まで自宅から一時間強かかるので、2時間残業すると帰宅時間がかなり遅くなります。
「どうしうよかなー、残業しないのも会社に悪いし、でも今までやったことがないから自信がないなー」とルカ。
障害者雇用ということで、今まで残業や休日出勤の要請がなかったルカなのですが、ルカだけずっとその状況というのは、本人も気がひけるようです。
「ルカの場合どうなのか、直接上司に聞いてみたら?」ということで、どのように聞いたらいいのかシミュレーションすることに。

前回の休日出勤のときも話し合ったのですが、ここはちょっと聞き方に工夫がいります。
休日出勤の場合は、ルカは出ても大丈夫な自信がありました。
その場合「僕も休日出勤しなくてはならないのですか?」というと、「ほんとはイヤなんだけど・・・」というニュアンスになってしまい、ルカの意志が伝わりにくくなります。
なので、前回の休日出勤の場合は「僕も休日出勤してもいいですか?」という聞き方をするようにアドバイスしました。
そうすれば、上司もルカの意志がわかって、スムーズに休日出勤を要請できます。

でも今回は残業してもいいけど、体力的にどうなのか? 自信がないという微妙なところなのて゛ 「朝礼で残業をするように話がありましたが、僕の場合はどうなんでしょうか?」というところから聞くようにアドバイス。
それから、するとなったら頻度はどのくらいのなのか? できれば一度残業してみて続けてできそうだったらその後もやってみたい、というような気持ちを伝えるようと話し合いました。

話しあった翌日、シミュレーションどおりに話は進んだようで、今度お試し残業を一度してみようということになりました。
上司もルカのことをわかってくれているようで、残業の話を聞きにいくと 「ルカはどうしたい?」と聞いてくれたそうで、ルカも話しやすかったとのことでした。
残業があると帰宅時間が10時になってしまう可能性もあり、私も心配なのですが、頻度としてはそんなになくて、週に一度くらいということなので、なんとかできるかな?という見通しはもっています。
なかなか、勤務先だと緊張して自分の意志を伝えられないルカですが、今回のようにあらかじめどういう風に話したらいいか、頭の中でまとめていくと、話もスムーズにいきます。

それにしても、ルカの職場はパートのおばさんが主流なのですが、パートのおばさんたちは家庭を持ちながら、週1日だけの休みで残業もやるということなります。もはやパートなんていう立場じゃないと思うのですが・・・。
「ルカのところのパートのおばさん達って働き者だね〜 体壊したりしないのかな」というと、
「でも、職場が近いから大丈夫なんじゃない?」とルカ。
「それはそうだけど、家庭をもっていると、うちの中の掃除や料理もしなくちゃいけないんだよ。」というと
「そうか〜。それは大変だよね。それに比べると俺は恵まれているよね。家庭を持ったら大変だもんなー。やっぱり一人がいいや 俺は気楽でいいよねー」とルカ。
今の勤務先は、ほんとに皆さんにやさしくしてもらって、恵まれていることは確かなのですが、このところの勤務体制は少々厳しく愚痴の一つも言いたくなる感じなのですが、ルカの場合そうでもなくて「恵まれている」とプラス思考に考えられるようなのです。

そんなルカの性格がとてもうらやましいな〜と思うことがあります。
「ルカのその考え方はいいよね。どんな境遇でも現状に不満ばかり言う人は、幸せを感じられないものだけど、ルカのようにプラス思考だと日々幸せを感じられるもんね」と、思わずルカに言ったのでした。
どんなに恵まれた環境にいても、それを恵まれていると感じない人はいつまでも幸せを感じられないでしょう。
心の持ち方一つで、人間は幸せにも不幸にもなるんじゃないかな〜と、ルカに教えられているような気がします。

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