・近況報告319

診察

先週は1年ぶりにドクターの診察がありました。
ルカは幼児期から療育センターの通園に通っていて、卒園後もドクターの診察や心理士さんとの面談を定期的に行ってきました。
現在も、ドクターと心理士さんのとの面談が年一回あります。
このところずっと落ち着いているルカなので、特に相談したいことはないのですが、年に一度でも診察してもらえると思うと、家族は安心です。
昨年は社会人となって、初めての診察ということで「今後診察を続けたいかどうか」意思確認が行われました。
ルカは突然のことでしどろもどろだったので、とりあえず私から「今後もよろしくお願いします」とお答えして、今年に至っているわけです。
今回ももしかしたら聞かれるかも・・・と思った私は 「もし、また去年のように、今後診察続けるかどうか聞かれたらどうする?」と言うと、またもやルカはしどろもどろ。
困ったことは母さんに聞いて解決できるしな〜ということでした。
それで私が「今はお母さんがそばにいるからいいけど、この先、ずっと一緒にいられるわけではないよね。いついなくなっちゃうかわからないんだよ、そしたらどうする?」と、ちょっと意地悪な質問。
「うーん、悩み事は自分で・・・・・考えるようにするとか・・・」とルカ。
誰かに手伝ってもらうという発想は、自閉症の人にはなかなか思い浮かばないようです。
「一人で考えても、なかなかいい考えにならないことの方が多いよ。お母さんがいなくなっても相談するところは必要だと思うよ。だから診察も続けておいた方がいいと思うよ。」というと、ルカもなんとなく納得なのでした。

そして診察。
久しぶりにドクターと向かいあって、ルカは仕事のことや趣味のことなどを報告しました。
ルカの生活を聞いて、ドクターはとても誉めてくださるので、ルカもとてもいい気持ちだったようです。
特に「自分のお給料でお父さんお母さんに何か買ってあげたとか、そういうのある?」との質問に
私の実家に帰った時に、みんなで回転寿司にいってごちそうしてあげたこと、正月に妹にお年玉をあげたこと等を話すと、ドクターがとても誉めてくれたので、ルカも得意げでした。
ちょっと前までは、自分のお金を他人のために使うということが、ほとんど理解できなかったルカを思うと、そういう感情が芽生えてきたことを、私もとてもうれしく思っています。

ドクターだけではなく、ルカの担当の心理士さんや、ちいさい頃お世話になった先生方にも会うことができ、楽しいひとときでした。
なんといってもちいさい頃からルカの特徴を知っていてくれるので、ルカが気持ちよく話せるよう、配慮してくれているのがよくわかります。
それがきっと、ルカも心地よかったのでしょう。
帰りの道すがら「なんか同窓会みたいだったね」とルカ。
「やっぱりさ、年に一回でもこうやって会いに来た方がいいよね」と、満足そうでした。
そうだなー、思えばここがルカと私の原点なんだもんなーと、センターの建物を振り返り、しみじみと思うルカママなのでした。

前に戻る