お弁当
先週は残業のことでちょっとゴタゴタしていたルカ。
上司に言われた通り、残業をやらない日を作ったため、いつもより帰宅が早くなったりしています。
「バスに乗らないの?」と、いつも送迎バスで一緒のおばさんに聞かれても
「はい。路線バスで帰ります」としか言えないルカ。
「いや〜、実は○○さんに残業毎日するなと言われて、残業しない日は路線バスで帰ることにしたんですよ」なんて、雑談風に言えればいいのですが・・・なかなか難しいようです。
自分を待たなくても発車しちゃっていいと、送迎バスの運転手さんに言ったせいか、送迎バスに乗る予定の日は
「もしや、置いて行かれるのでは・・・」と不安に思ったのか、勤務終了時間より少し早めに仕事をやめてしまって
「まだ帰りの時間じゃないよ」と待ったをかけられるというハプニングもあったようです。
けっしてさぼりたくて仕事を早く切り上げたわけではないのですが、果たして、そこらへんのところをわかってくれる人はいるのだろうか? と、複雑な気分です。
そんなルカのもう一つのお悩みは、お弁当時間のこと。
「この頃、向かい側に座っている○○さんが俺に鶏肉をくれなくなった」というのです。
そんなに鶏肉が食いたいのか?と思われるでしょうが、そうではないでのです。
向かい側の○○さんは、鶏肉が嫌いなので弁当に鶏肉が出るといつもルカに分けてくれていたそうなのです。
この○○さん、ルカに言わせると、会話が誰に言っているのかがわかりくい、独り言なのかな〜、それともルカに言っているのかの判断が難しいそうなのです。
この頃、どうやら俺に言っているのでもなさそうだなーと思って、「鶏肉が・・・」という話題にもルカは顔を上げずに黙々と弁当を食べていたとのこと。
「鶏肉」っていう言葉に反応していちいち顔を上げると、まるで自分が鶏肉欲しさに顔を上げているようで、なんだかな〜の気分もあったようで・・・。
そしたら、この頃弁当に鶏肉が出ても、ルカにくれなくなったとのこと。
「○○さんの話を無視したって、気を悪くしちゃったのかな〜」とルカ。
「いや〜、そんなことはないと思うよ。たまたまあげるの忘れただけなんじゃーないの?」と私。
「そうだといいんだけど・・・ 俺ってさー、誰に言っているのかわからない時が多くて、返事に困るときが多いんだよねー」とルカ。
そうなんです。家族との会話でも、ルカに言っているんじゃーないのに、大きな声で返事をされてしまうこと、結構あります。
家庭では、返事のしすぎで過剰反応の時が多いですが、逆に勤務先ではおとなしいルカのこと、ルカに言っているのに気づかないで返事をしていないことも多そうです。
情報処理能力に障害があると言われているアスペの皆さん、誰が誰に向かって言っているのかわからなくて、変なときに返事をしてしまったり、返事をすべき時にしないでしまったり、ということ多いでしょうね。
「なんだこいつ、返事もしないで」と気を悪くされることもあるのかもしれません。
それ故に、障害に対する職場の理解というものはかかせないわけなんですけどね。
ルカの職場はどうなんでしょう?
そういう細かいことはわからなくても、まあ、障害者枠で入っている人だから・・・ということで、許されている部分が多いかもしれません。
さてさて、問題の鶏肉は、またこの頃もらえるようになったそうで・・・いや、別に鶏肉か食べたいわけではないのでしょうが(笑)、ルカもホッとしているのでした。
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