本音と建前
ちょっと前の話ですが、ルカに夕食の配膳等手伝ってもらっていると、
「使い走りかよ〜。めんどくさいなー」と、言うのです。
「えっ? やりたくないの?」と聞くと、
「いや、お母さんが大変だから手伝うことは手伝うけど、めんどくさいっていう気持ちもある」
と正直に答えました。
「せっかく手伝ってもらってうれしいなーと思っているのに、そういうこと言われるとがっかりするよね。そういうことは、口に出さない方がいいよ。正直に言うことがなんでもいいことではないからね」と言うと、
「えっ? もしかしてそれって、心の中で思ってもダメってこと?」とルカが聞いてきます。
これには、私の方が「えっ?」という気持ちです。
彼はアスペですから、本音と建前を使い分けることは難しいのは承知しているつもりなのですが、こうやって改めて言われるとなるほどなーと、うなずけるものがあるわけです。
「そういうことは、人には言わないでね」と何気なく普段私たちが言っていることですが、「口で言わないってことは、心の中で考えてもダメなのかー」と解釈してしまうと、精神的にとっても大変ですよね。
ルカは仕事の上では、嫌だなー疲れたなーと言うときでも顔に出してはいけないと、学校時代から言われていることなので、そう言うもんだとは知っていたハズです。(それができているかは別として)
でも、家の中となると、それは全く別物のようで、本当の意味での「本音と建前」を使い分けるというところまでは、まだまだいってないようです。
「あのね、心の中で何を考えるかは基本的には自由だと思うよ。でも、それを口に出すとルカがせっかくいいことをしているのに、嫌々やっているのかーって思われて、ルカに対して感謝の気持ちがもてなくなってしまうんだよ。どうせ同じことをやるんなら、感謝されたいでしょ」と言うと
「あー、思うことはいいんだね」との答えでした。
・・・・・別に、ルカは相手から感謝されたいとは思ってないので、この場合の私の説明は適切ではなかったのかしら?
それよりも、相手に失礼だからとか、マナー違反として言う方がわかりやすいですね。
そんなルカですが、先日私が具合が悪くなった時は、自分から「朝は一人で起きて朝食をとっていくから、お母さん寝てていいよ」と言ってくれました。それはルカが心から出た言葉のようです。
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