・近況報告241

友達の謎

ルカは、学校を卒業してからも、友達づきあいは絶えることなく続いているようで、月に一度くらいは会う約束をしています。
だいたい決まって会うのがA君とB君です。
A君は多分自閉症がはいってない(微妙なんですけど)軽度の知的障害の子で、B君は自閉症のお子さんです。(と、私は思っています)
ルカと同じ障害のB君のことはわかりすやく、我が家にきても「ゴミ箱どこですか?」と質問して、きっちりごみはごみ箱にいれてくれるし、冷蔵庫に貼ってあるクラス名簿を長い時間じーっと眺めていたり、ははーん、とわかりやすいのです。
しかし、A君はルカの生活ぶりに比べると謎のことが多いのです。きっとA君の方が18歳の男の子らしいのかも知れませんが。

この間会った時は、かねてよりみんなで近くのタワーの展望台にのぼる約束をしていて、そこは障害者手帳があると半額の入場料で乗れるので、ルカは事前に二人の友達に手帳を持ってくるようにメールしておいたとのこと。
几帳面なB君はもちろん持ってきました。しかし、A君はなぜか忘れたとのこと。
ご本人曰く「忘れたんじゃなくて、家にもなかった」ということなのですが、もしそうだとしたらそれは大変なことですよね。
結局、割引にならないと高すぎるからとA君が渋って、展望台には行かなかったとのこと。
B君はとっても登りたがっていたそうですが。
そして、3人はその隣のゲーセンで遊んだとのこと…まてよ、その方がお金がかかるような気がしますが。
お別れの時、A君がプリクラを撮ろうというので、300円だったので、一人100円ずつだそうと思ったら、A君が「オレ金がない」と言いだし、結局ルカとB君が150円ずつ出したとのこと。
「まったくさー、50円玉がなかったから計算が大変だった」とルカ。きっちり屋のルカとB君はそれでもいろいろおつりをやりとりして、二人で半分ずつ払ったということで、聞いていてもほほえましい話なのですが。
お金がないというA君、ルカの話を聞いていると結構その理由でズル?することが多いのです。
ホントにお金がないのか、意識的にやっているのかな〜とちょっと心配。

正統派自閉症のルカとB君は、決まり事は守りたいタイプなので、不良に走るという心配は皆無なのですが、このA君は、ファッションにも興味があり、ルカの学校でも一番のおしゃれさんでした。今時の若者らしくたばこも始めるし、この頃はお酒も飲むようになったという話。
だから、お金が足りないのかな〜。
ちょっと心配なのは、彼は職場での作業着の着方も彼流があるらしく、ちょっとずり落としてはいているらしいのです(昔流行った?)。 職場の先輩になんど言われても「だって、緩くてずりおちるんだもん」という理由で、改める気がないらしいのです。
ルカはA君のいうことを素直に信じ「緩いんだから仕方ないじゃないか」と、友達の肩を持ちますが、私は「いや〜、彼は学校時代も腰パンだったなー」と苦笑してしまいます。

職場でのいろいろを聞いていると、コミュニケーション能力や作業の遅さで悩んでいるルカに比べ、その子はいろいろできる子なので、うらやましいなーと思うこともあるのですが、結局のところ、できるといってもすでに働いている人たちに比べればまだまだで、服装やその他のことで「仕事もできないのに、生意気だ」と思われることもあるんじゃないかなーなどと心配してしまいます。
そこが軽度の発達障害のお子さんの難しいところでもあるわです。
自閉症の弱いところを気にしてばかりいたけど、規則正しい生活や真面目なところ等、良いところもあるわけで、逆にそれがない軽度発達障害の人たちは、日々の生活の乱れや金銭感覚、職場の上司に素直に従えないところなど、いろいろ心配なことがあるんだなーと、思ったのでした。

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