お世辞
先週末、ルカパパは珍しく外泊。
会社の囲碁クラブの人たちと、泊まりがけで碁を打ちに行きました。
それで優勝すると、段位があがる仕組みとなっていて、ルカパパも張り切って出かけて行きました。
そして、見事優勝〜(5人〜10人くらいしかいないのですが)。
帰ってきて家族に報告。
ミミは、副賞の図書券をルカパパからもらってニンマリ。
ルカは「お父さん、優勝だなんてすごいね〜。すごい、すごい」と誰よりも、ルカパパの優勝を祝っているかのような口ぶりです。
ルカもルカパパにお世辞の一つも言えるようになったのか、と私もニコニコ顔で聞いていました。
「そう、これで晴れて二段に昇格だ」とルカパパも息子に誉められてまんざらでもない様子。
しかし、次のルカの発言でそんなルカパパの気分もぶっ飛びました。
「え〜! お父さんって、まだ二段だったんだ。あんなにお休みの日に囲碁のテレビをみたり、パソコンで研究しているのにね〜」
・・・・・・・一瞬の沈黙の後、ルカパパは
「ルカ、君は段取りの仕組みがわかってないようだね。段を取るっていうのは難しいんだよ。その前に級があるんだから。3、2、1級とあがっていって、それから初段、二段ってなるんだからね」と、こんこんと説明したのでありました。
「あー、そ、そんな仕組みになっていたんだ。知らなかったよ。それならすごいよ」と、ルカも納得。
「ほらっ、おめでとうって一言いったら?」と、私が耳打ちしたのですが、ルカは大きな声で
「だからさー、さっきからすごいすごい言ってるじゃない。」と、面倒くさそうにいったのでありました。
そうなんだー、ルカは別にルカパパに喜んで貰おうと思って「すごい」といったのではなく、心底そう思ったから「すごい」と言っただけなんですよね。その素直な感激が周囲を心地よくもさせ、そしてどん底に?突き落としもするわけです。
あっ、でも、今朝こんな事がありました。
我が家の朝食は起きた順番に食べます。一番乗りはいつもルカです。
朝食に、夕べのシチューの残り物を鍋を空っぽにしてルカのお皿に分けました。それを見ていたルカ。
「ちょっと、多いかも、半分でいいよ」と言うではありませんか。
「珍しいね。シチュー好きでしょ。体調でも悪い?」と聞いても、別にそんなことはないとの返事。
そして、半分に減らしたシチューを平らげた後、ルカが言ったのでした。
「別にね、多くて食べられないわけじゃなかったけど、オレ一人で全部食べたら悪いと思ってさ。自分でもこんな気持ちになるのって珍しいんだけど・・・」
そうなんです。今までのルカは他の家族のことなどお構いなしに、大皿に盛ったものでも、全部自分の皿に取り分けて平らげてしまい、家族から非難を浴びる事が多かったのです。
他の人に悪いという気持ちは、なかなか持ちにくかったようなのに。
「それは、エライね。残ったシチューはお父さんに食べてもらうね。お父さんもシチュー好きだからね」と私が答えると、ルカも嬉しそうでした。
なんだか今日はいいことありそうな・・・そんな予感のする朝でした。
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