弁当
ルカの勤務先では、昼食は仕出し弁当が頼めます。
実習中は私の作ったお弁当を持っていったルカも、4月からは仕出し弁当を注文しています。
これで、私も6年間にわたるルカの弁当作りから解放されました!
それはとても喜ばしいことなのですが、この弁当のことでいろいろトラブルが発生してしまいました。
一つは、仕出し弁当には大盛りと普通があって、ルカが普通を頼んだのに間違って大盛りを自分の分だと思って食べてしまったこと。冷や汗が流れますね〜。
そしてこちらの方がもっと重大。
ある日、昼休みの少し前に、いつも隣に座って昼食をとるオジサンから「オレ、今日弁当頼んでないからさ、オレの所には配らないよう言っておいて」と、頼まれてしまったルカ。
えー! 誰に言ったらいいかわかんないよ〜と思ってオロオロしている中、係の人が弁当を配り始めました。
オレみたいなものが、弁当係りの人にそんな差しでがましいことは言えない、とルカは思ったそうです。何でかしら? その思考回路が私にはよくわからないのですが。
そうこうしているうちに、弁当係の人はそのオジサンも頼んでいると思って配ったので、当然弁当が一つ足りなくなりました。
なんで一つ足りないんだろう?と、皆が騒ぎ始め、だんだん大事になっていく様を見てルカは「やばいなー」と思ったらしく、一番偉そうな人に「実は・・・」と話したつもりだったらしいですが、そのエライ方は「あー、ルカ君頼み忘れちゃったんだね〜。よし追加注文したあげよう!」ということになり、いらない弁当が追加注文されてしまったとのこと。
どっかへ行っていたオジサンが戻ってきて「なんだよ〜、話が違うじゃないかー」と文句をいい、ルカのミスが発覚。
その場は「今度から気を付けようね」で終わったそうなのですが。
ルカ曰く「だってさー、アスペのオレにそんな難しいこと言われたってわかんないよ」とのこと。
あまり反省の色なしです。
・・・・・そこで私キレてしまいました。
「そんなことで、アスペを出すんじゃないわよ。あなたオジサンに言われた時返事したんでしょ。返事した事には責任もたなくちゃね。」と言ってしまって、ルカは「どうしよう〜、お母さん怒らせちゃたー」ということで、かなりの落ち込み。そのことも私は気に入らないわけで「私が怒っているかどうかが問題じゃなーい!」などと口走ったので、久々にがっくり肩を落とすルカなのでありました。
話を聞いていて、会社でいかにルカがコミュニケーションのとれない状況におかれているのか、思い知らされました。
弁当係の人に一言「隣の人は弁当頼んでないそうです」と言えばいいものを、それが言えなかった。
よく面倒みて下さる方がいるようなのに、その人にも言えなかったのです。
学校だったらできていたハズ。でも、大人の中に入ってしまうと萎縮してできるものもできなくなってしまうのかなー。
その後のことは、ルカもしどろもどろでよくわからずじまいです。
ルカがその弁当代を払うべきなのか、お仕事のことでのトラブルなら、私が会社へ問い合わせるということもアリなのかもしれませんが、弁当のことでいちいち親が出ていくのもなんだかな〜と途方にくれ、結局、ルカには「自分ができないことに安易に返事はしない。わからないことは、いつもお世話になっている方にすぐに報告すること」を再確認しました。
そもそもお弁当を配るときに、注文のリストと照らし合わせないのが不思議だし、確かにルカの言うとおり「よりにもよって、なんでルカにお願いしていくのかな〜」という愚痴もでてしまいます。
でも、会社の方々も理不尽にルカを叱責したりはせず、やさしく接してくださっているのがよくわかります。
ルカもそんな会社の方達と、早くうち解けたいとは思っているのですが、なかなかできないようです。仕事の事ではなく、それ以外の会社の方達とのやりとりに悩むことが多く、誠に、人間関係というものは難しいものです。
そんなこともあって、ちょっぴり落ち込んでいたルカですが、先日、ルカの母校で卒業生のための青年学級が開かれました。
ルカの学校では、卒業後2年間(成人になるまで)は、この青年学級に在籍して、年に数回のレクリエーション等に参加できます。
今回は初回ということで、簡単な入級式の後昼食をとりながら、一人ずつ卒業してからの報告会をしました。
同級生のがんばりを聞いて、ルカも励まされた様子でした。私も参加して、他のお母様から就職してのあれこれを聞いて、悩んでいるのはうちだけじゃないなーとほっとしました。
まだ始まったばかり。頑張っていくしかないなーと、親子で前向きな気持ちになれた一日でした。
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