卒業間近
月曜の朝、ルカはちょっぴり困ったような顔をして起きてきました。
「お母さん、どうしよう〜、もう少しで卒業だよ。あの学校ともお別れだね。オレは、あの学校に行ってほんとに変わったよね。友達なんて作らないって思っていたのに、それが今は何? 友達たくさんできちゃったよね。中学まではさ、オレみたいに一見普通級にいるような子で、実は障害者だなんて、そんなにいないと思っていたのに、あの学校行って、たくさんいるんだなって事がよくわかったよ。ほんとにあの学校行ってよかったなー」
朝から、そんなお話で、私の方がウルウルしてしまいます。
そうかー、この間学校のお別れ会で、一人ずつ発表をしたとき「この学校に来てよかったです。」って言っていたけど、そんな理由があったんだねーと、思ったのでした。
ルカの学校は来週の月曜日卒業式ということで、先週は在校生とのお別れ会と、保護者と先生との会食が開かれたのでありました。その中で、クラス別に楽器演奏を発表し、一人一人卒業の感想を述べたのです。みんな生き生き伸び伸びと自分の言葉で話しており、3年間の成長というものを改めて感じました。
たぶん、中学までは、普通級の友達について行くことに必死で、自分の気持ちを友達の前で堂々と述べる機会もなかったのではないかな?と思わせる生徒の皆さん。こんな風に自分を出せる場所を提供されたことは、この上ない幸せなことなのではないかと思いました。
先週は、お別れ会の他にもう一つ行事がありました。
それは、バレーの試合、養体連という、県の養護学校の大会です。昨年見事優勝したルカの学校。今年はどうかなー、この間の違う大会ではk養護学校にまさかの敗退をしてしまったし、昨年活躍したくれたエースは、バレー部の練習が物足りなくなり、もっと活発に練習している部活に転部してしまったし。でも、今年は1年生がたくさん入部してくれて、上手だとルカは言っていたなーとか、いろいろ考えているのに、ルカががんばったら勝てるかなーとは、全然思えないイケナイ母親なのでありました(笑)
会場が遠いので、私とルカパパが会場に到着すると、すでに午前の部は終わっていて、残すは午後の準決勝と決勝のみ。幸いルカの学校は勝ち残っているようで、早くから来ている保護者の方からは「ルカくん、サーブもよく入って調子よかったわよー」と言っていただきました。
そして、午後の試合もルカは出ずっぱり。なかなかボールのくるポジションではありませんが、昨年に比べると自分からボールを取りにいくようになったなーと感心しました。
「オレの周りにはボールが来ない運命にある」という名言をはいていてルカ。ボールは自分から取りに行くものだと、その時説明したのがよかったのか? 前に比べると周りのことがよく見えるようになっていました。以前は味方に点数が入っても我関せず状態でしたが、今回は自分からチームメートに駆け寄り、一緒に喜んだりできるようになってました。
2年間、時々しか部活をやらないバレー部でしたが、続けていればうまくなるもんなんだなーと嬉しくなりました。
そして、結果は、見事優勝! ルカも昨年以上に嬉しそうでした。
こうして、一つ一つが終わって行きます。卒業式の日は、マスカラは付けないで行った方がいいかしら?等と、妙な心配をしているルカママです。黒い涙を流さないよう気をつけます!
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