あいさつ
夕食後、私がパソコンをしていると、ルカが「ねえ、お母さん、あいさつってどんな人にすればいいの?」と聞いてきました。
「おはよう」や「こんにちは」と、元気にあいさつをしまょうと、学校で教えられてきたわけですが、あいさつしてもいい基準、どこでするのかとか、知らない人にまでするのかとか、どの程度の親しさの人にするのかということは、教えてもらってないわけです。時と場合によって変化するものは、アスペの方にとってはとてもわかりづらいことなので、ルカが疑問に思うのはもっともなことだと思いました。(アスペでなくても誰でも一度は迷ったことがあると思います)
「そうだねー、知らない人にはあいさつをしなくてもいいんだけど、ルカの学校の場合はあいさつをとても重要視しているから、学校の中ではとにかくすれ違った人にはあいさつした方がいいと思うよ。でも学校から出たら、知らない人にはあいさつしなくていいよ」と答えました。
「そうかー、でも・・・」とルカ。
学校で体力づくりの時間に学校近くの公園でランニングをしていたときのこと。先生が「公園ですれ違う人には、あいさつをした方がいいよ」と言ったとのと。
「あー、団体で高等養護ってわかる時には、あいさつした方が"ここの高校生礼儀正しくて気持ちいいなー"って好感を持たれた方がいいから、あいさつした方がいいんだろうな。会社でもそうだけど、会社の制服来て仕事をしている時には、会社のイメージが良くなるから、知らない人にもあいさつした方がいい場合が多いかもね」と私。
「やっぱり、時と場合によるんだね。そういえばこの間、知らない小さい子が僕にあいさつしたんだよ、そしたら、お母さんが"知らない人にはあいさつしないの"って教えてた」とルカ。
うーん、難しいよね。小さいうちは誰にでもあいさつすると、かわいい、ですまされるわけですが、物騒な世の中です。知らない人にあいさつして、怖い目に遭うかもしれません。
相手からあいさつされた場合は、あいさつを返した方がいい、というのが基準ですが、駅やお店の前で愛想良く知らない人からあいさつされた場合は、何かの勧誘の可能性が高いわけで、変にあいさつを返さない方が安全だし・・・・。
結局
・学校や会社では、知らない人でも訪問者にはあいさつする。また、学校の外でも団体で活動している場合は知らない人にもあいさつをする。
・電車や道では知ってる人だけにあいさつする。
・自宅マンションの階段までは、すれ違う人にはあいさつする(同じマンションの住人である可能性が高いので)
という結論になりました。
「会釈だけでもいいんだよね」とルカ。日常的にはそれで十分なのですが、ルカの学校や会社によっては元気よくあいさつすることを求められることも多く、ルカにとっては苦手なことの一つです。
小さい頃は、無邪気に誰にでもあいさつできていたルカ、大きくなるにつれて、いろんな疑問が出てきて、いろんなことをためらうようになってしまっているんだなーと思いました。
そうそう、実習中にもルカはこんなことを言ってました。
「お疲れ様〜」ってさー、相手が疲れているかどうかわかんないのに言っていいのかなーって、とまどってしまうだんよね。
確かに・・・そこまで深く考えなくても単にあいさつなんだよと説明しましたが、その職場によってあいさつの合い言葉も違ってくるし、難しいものです。
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