実習反省会
先週でルカの職場実習も無事に終わり、金曜日には職場の方2人と担任、私、ルカとで反省会をしました。
職場の方からは
・作業の正確さはあるが、ゆっくりなので作業スピードをあげること。
・集中力を持続させること。
・荷物を楽に持てるように体力をつけること。
等が課題としてあげられました。
よかったこととしては、わからないことを職場の人に聞くことができ、勝手に動かなかったのでミスが少なかった、とのことでした。これは、学校でも「職場では決して勝手に動かないこと」と厳重に言われていることなので、学校で勉強したことが役に立ったいい例だなと思いました。
指示に従うこと、、疑問点を質問できること、これらは、社会に出ていくためには重要なことだと思うので、ぜひ学校や家庭での生活の中に取り入れてやってほしいことだと思います。
指示に従うとか、指示を待つ、というのはもしかして、今の教育の中では「指示待ち人間になる危険性がある」ということで、重要視されず、むしろ自分で考えて行動することを要求されることが多いのかもしれません。
しかし、実際社会にでていくことを考えると、自分で動くこと以前に、相手の指示に従えるかということが基礎となります。そういう基礎をとばして、いきなり自主的に動くことばかりを強調してしまうと、成長するに従って「勝手なことをする人」になってしまう危険性があります。
いわゆる情操教育ということも人間の成長には欠かせないものですが、やはり社会に出ていくとどうなのか?という視点も大切だなと思いました。
もちろん、どこまで社会性を要求するかは、個人の成長の度合いによって違ってくるとは思いますけどね。
そうそう、指示は待てるルカにもこんなことがありました。
次の指示がでてなくて、ぼーっと立っていたところ「ぼーっとしないで、手伝って!」と言われたとのこと。
「オレは待機時間かな? と思ったんだけどさ、あー、待ってないでいいんだと思って、それからは自分の仕事が終わっても手伝うことにしたよ」ということ。
周りの動きに無頓着なアスペらしいご発言です。
これは、指示どおり動けるようになって、次のステップアップの段階ですね。
職場が忙しくなると、この手の注意が多くなることが予想され、与えられた仕事だけではなく、周りの動きにも気を配らないといけません。
それから、作業中手を休めている事があるが、なぜか?という質問もありました。
ルカはその場ではいつのことかわからなかったので答えられなかったのですが、後で「あれは、今までの作業に間違いがないか確認していたんだよ」とのこと。
ミスはいけないと慎重になるあまり、その行動が裏目に出ることもあるようです。
始めにあげた職場の方からの課題は、いずれもルカの能力的なことにかかわることで、すぐに改善できることではなさそうです。
経験によってどこまで改善していけるのか、というところでしょうか。
今回は雇用実習(合格となればそこに就職できる)ということで、前回の経験実習(雇用とは関係ない職業体験のようなもの)とは違って、会社の方も真剣にいろんな課題を挙げて下さったように思います。
ルカの職場実習も今回で三回目。
2年3学期の段ボールの組立・・・朝から晩までずーっと同じ仕事で、もう少し変化のある仕事がしたい。
3年1学期のお店の品出し等・・・仕事の内容はとても面白かったが、お客さまと接するのがとても苦痛!
そして今回・・・荷物運びとかちょっときついけど、気に入った!
とのことで、どんな仕事がいいのか見えてきた様子です。
適当に体を動かせて、単純な仕事のなかに少し変化があって・・・接客がないところ、というところでしょうか。
今回の会社に雇用されるのかどうかは、もう少し時間が経たないとお返事がもらえませんが、結果はどうであれ、本人は一生懸命がんばったことだし、いい経験だったなと思います。
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