実習4週目
ルカの現場実習は、まあまあ順調に進み、とうとう最終週に突入しました。
はー、やれやれ・・・でも、ツメの甘いルカなので、あと数日、気を抜かないようにとハッパをかけました。
しかし、実をいうと危なかったのは私の方で、とある朝、私は目覚まし時計を1時間見間違え、寝坊するという失態を演じたのでありました!
ルカはいつも通り起きて、弁当がないのに気づき、自分で弁当をつくっていました。
その物音で目を覚ました私。「どうしてこんなに早く起きて弁当なんかつくってんのよ〜」という私の質問に
「え? そうかなー」とルカ。なんかおかしい、と思いつつ、まだ時計の見間違えに気づいてない私は、のんびりしていると、ルカは早々とご飯を食べ、出かける準備をしてます。
「何で?こんな早いのに。 まだ6時・・・。ん?」と初めて自分の勘違いに気づく私。
「きゃー〜、1時間時計見間違えた!」という私に
「やっぱ、そうなんだ。なんだかおかしいと思った」とルカ。気づいたら早く言えよ〜〜。
今考えても冷や汗が流れます。
さて、そんなこんなの実習期間。お母さん同士の情報交換も欠かせません。
お母さん同士のお話で、気になるのは、仕事もさることながら、休憩時間とかお昼休みの過ごし方について。
ルカには、暇つぶしに本でももっていったら?と言ったのですが、
「そんなのは、持っていっちゃ行けないんだよ。自分だけ本なんか読んでたら、従業員の人たちに話しかけられたりした時、無視しちゃったりして印象が悪くなるって、先生が言ってた」とルカ。
そこまで、言うか〜、もともとコミュニケーションが苦手なんだから、休み時間くらい好きに過ごすっていうのも、いい方法だと思うけど。
正直私はそう思いました。
ところがよそのお母さんに聞くと「あらっ、うちは持っていってるよ。だって間がもてないでしょ。先生もそれでいいっていってた」とのこと。
ルカにそのことを話すと「おかしいな〜。本とかCDに夢中になって、休憩時間を守れなくなる人もいるからって、先生が・・・」。
私「あー、そういう子もいるよね。でも、ルカや○○君(本を持っていっている子)は、時間はきちんと守れるタイプだよね。そういう子の場合はいいんじゃないかな? ルカはね、いつも全体指導で言われたことを全部自分のことだと思って、真面目に聞くよね。それはいいことなんだけど、自分にあてはまらない話もあるでしょ。そういう時は、"これは俺には関係ないや!"って聞き流してもいいんだよ。先生はね、全体指導って言っても、全員に当てはまる話ばかりじゃなくて、一番心配な子のことを基準にして話していることが多いんだよね。(まあ、一番心配な子に限って聞いてなかったりするんですが)」
と、日頃、全体指導で言われたことをいちいち気にして「俺は一生懸命やっているのに」と悩むことがあるので、いい機会なので話して見ました。
ルカ「えーっっ そうなんだー。おかしいと思ったよ。なんで一生懸命やってるのにまた言われるのかな?とか、そう思うことあったよ」とルカ。
そうなんですよね。自閉症の人って、全体で言われてることの中に、これは自分に言われてること、これは関係ない話と、そういう区別というのが難しく、全部自分のこととして受け止めて悩んでいる人って多いんじゃないかな
?。
ルカには、折りを見て、この話は何度かしているのですが、今回はとても納得できた様子でした。
まあ、これを言うのは、結構冒険というか・・・・「そうか、俺には全部関係のない話」と思われても困るので、もうそろそろこういう話をしてもいい時期だな、という見極めも重要かもしれませんが・・・・。
さて、問題の休憩時間。
こんな話をして、いろいろと収穫はあったのですが、結局ルカは何も持っていかないことに。
持って行くとしたら、電車の写真になってしまうのですが、それをわざわざ広げる時間もなさそうです。
ルカは結構、従業員の人の話とかを聞いているのが好きなようだし、何もしないでぼーっとしていた方が疲れがとれるということでした。
ほんとに、人それぞれですよね。
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