3者面談
今日のタイトル、ほんとに進路決定の日が近づいていることを思わせる言葉ですね。
2年生も残すところあとわずかです。来年はいよいよ就職へ向けて一人で現場実習にいったり、いろんな面接をすることになっています。今回の面談はその手始めに、まずは担任に本人の希望を具体的に聞かれました。
2月の現場実習が終わった時点では、朝から夕方までの立ちっぱなしの仕事に少々めげて「就職を希望するかどうか、ぎりぎりだなー」と言っていたルカも、今回は「一般就労を希望します」ときっぱり。
仕事内容については、今回の段ボールの仕事はずーっと同じ仕事で、一カ所に立ちっぱなしだったので、もう少し体をつかった仕事がいいとのこと。具体的には配送センターのような荷物を運んだり、仕分けしたりする仕事をしたいという希望をだしました。
「力仕事はきついですよ」の先生の言葉に「大丈夫、力には自信があります」とルカ。うーん、底力はあるかも知れないけど、なかなか力を出す要領がわるいよね〜、と内心私は思いましたが・・。
つきたくない職業としては、やはりサービス業、そして、食品加工のように完全防備の服装でやらなければいけない仕事だということ。
先生から「例えば、スーパーの場合だと、普段だと裏方でお客様と接しないけど、たまーに品出しで表に出ているときに、お客様に"○○はどこですか?"と聞かれたときに、自分ではわかないから担当を呼びにいくとか・・・そういうことはどうですか?」と聞かれると、「うーん、自信ないです。とにかくお客さんとは話せません」とルカ。
同じ職場の人と話すことはできそうであるが、とにかくお客様とは話せないというルカに「どうして?」とつっこむ先生。
するとルカは「僕みたいな愛想の悪い人がお客様に対応して、その店のイメージが悪くなるといけないですから」と答えたのです。
それには、先生も「そこまで考えるんだ」と感心してました。
実際、企業見学をし現場実習を行った今の段階でも、なかなか企業に就職するというイメージが持ちにくい生徒がいる中で、ここまで具体的に答えられる生徒は珍しかったのかもしれません。
最後に「3年に向かって何か1言」と聞かれると「就職に向けて、実習をしっかりやりたいと思います」とルカ。あまりにも優等生的な受け答えに、私も先生達も笑ってしまいました。
この面談だけで判断すれば、ルカはほんとに受け答えもしっかりできて、とっても優等生なのですが、そこにいる私や先生は、実はそうではないルカを知っています。実際作業をやらせると、えっ?と思うほど、効率がわるかったりするわけです。そのギャップは、ルカと知り合いになった誰しもが感じるところでしょう。
「お母さん、実際に企業に就職することになったら、彼の障害のことをよく説明しなくちゃだめよ。企業の人は初めは何にもわからないから、誤解されてしまうから」と先生。
ほんとに先生のいう通りですね。なんでもわかっているように見えて、実はわかってないという、その現実を常に頭に入れておかなくてはいけないんですよね。
ルカへの質問は終わり、1年間の感想を先生達とお話しして、面談は終わりました。この一年、友達関係もますます活発になり、部活も参加でき、ルカの成長を誉めていただきました。「ときどき、悪さするのもまたいいですよね。高校にいるうちに出しておかないとね」と先生。その広ーい心のおかげでルカは成長できてるのかもしれません。
家にもどってから「今日はどうだった? いろんな注文しすぎてわがままだったかな?」とルカ。「そんなことはないよ。できないことはできないって言った方がいいんだよ。あとは、3年になって実習をしてからまた考えようよ」と答えました。
その謙虚な気持ち、大切にしてあげたいです。
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