・近況報告178

現場実習B

先週1週間、ルカは校外現場実習ということで、5人の同級生と先生1人で、朝7時55分から夕方5時15分まで、段ボールの組み立て会社で働かせてもらいました。
場所は、自宅から距離は近いのですが、交通が不便で、始業時間も早いということで、ルカが学校へ行く時間よりもさらに早く、6時25分に家をでないと間に合いません。
お弁当が会社から支給されるということで、作らなくてもいいのがせめてもの救いでありました。

初日、ルカは5時30分に起きたものの、ぼんやりして動きがのんびりです。食欲も普段よりない様子。
もう〜、さっさとやらないと遅れるよ〜、なんでだらだらしてるかなーと内心思う私。でも、こんな時「遅れるよ、早くしなさい!」というのは、ルカの場合逆効果なのです。逆にあわててしまい、急いでも急いでも準備がはかどらないという最悪の事態に陥ってしまいます。
「ルカー、そろそろ・・・」と遠慮がちに言う私。ルカもゆっくり準備開始・・・時間は刻々と過ぎて行き、実際に家を出たのは6時30分を回ってました。
怒り出したい気持ちを抑えて「走らないと間に合わないね」と私が言うと「うん、じゃ!」と言ってルカは出て行きました。
なんで? こんな大事な日なのに、あの緊張感のなさは何?と、ルカが出かけてからも私はイライラしてしてしまいました。

さて、初日帰宅したルカに「どうだった」と聞くと、朝とはうってかわって元気に「うん、やれそうな気がする」と答えてくれました。
「朝、ギリギリに出かけたから心配したよ、間に合ったんだね?」という私の問いに 「うん、間に合ったよ。実はさー、お母さんには怒られると思ったから黙ってたんだけど、朝ちょっと胃腸の調子が悪くてさ。前の日に食い過ぎたんだと思うけど」とルカ。
ははーん、それは高等養護に入学当初と同じだわ・・・と私は思いました。やはり、初めての校外実習、彼なりに緊張して、胃腸の具合が悪くなったようです。しかし、ルカはそうではなくてあくまでも体調不良と思いたいようだったので、本人には言いませんでしたが・・。
緊張感がなかったのではなくて、緊張しすぎていたのでした。「早く!」と怒らないでよかった・・・と胸をなでおろしました。

一週間、仕事の内容は、単純作業でひたすら段ボールの中仕切りを組み立てていく作業で、ずーっと寒いところ何時間も立ちっぱなしの仕事です。
人と関わる必要もあまりなく、作業に没頭していられるということで、ルカも気兼ねせずにやれた様子でした。ただ、こんな長時間の仕事は初めての経験。体力はかなり消耗するようで、帰宅すると「きついよなー」と言いながら"アンメルツヨコヨコ"を足や肩に塗る毎日でした。

最終日は親も一緒の反省会と見学がありました。
見学では、とにかく、仕事の量の多さにびっくり。それでも従業員の方達は慣れていて、さっさとこなして行きます。ルカはというと・・・午後だったせいでしょうか? 早くやっていたかと思うと、ぼんやり(端から見るとそう見えます)としてしまったり、早さが一定してないなーと感じました。
反省会の時も、やはりルカの場合、月曜日、火曜日は、とにかく張り切って、作業速度も早かったらしいですが、水曜日から速度ががくんと落ちたとのこと、効率よく力の配分を考えようというアドバイスをいただきました。
第一の目的、遅刻、欠席をしないで5日間通えたので、ルカも自信をもてたようでしたが、 「だけどなー、やっぱりきついよなー、やれるかなー」と、今のところ一般就労を希望するかどうか、境界線だとルカは言ってました。
今回は、ひたすら同じ仕事で、はじめは喜んでいたルカですが、実習が終わってみると「もう少し変化のある仕事もやってみたい」ということでした。
仕事に就くということはどんなことなのか、今回の実習をやったことで、ルカにも少しわかってきたようでした。

私はと言えば「家族の支えが何よりも必要」という先生方のアドバイスのもと、一週間遅刻しないように、ルカが気持ちよく通えるように気をつけたつもりだったので、何事もトラブルなく一週間を終えられて、ただホッとした!の一言に尽きます。
まだまだ、母親の役目は終わらないんだなーと実感した一週間でありました。

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