実習面接
先日はミミの中学で鎌倉遠足がありました。家族へのお土産は鎌倉まんじゅう。
夕食時、それを見たルカ。
「そうかー、まんじゅうかー、ミミちゃん、お土産ありがとうね。ありがとう、ありがとう!」といつになくしつこく礼を言うルカ。
?と思っていると、ご飯の上にまんじゅうをのせ、緑茶をかけてお召し上がりになりました・・・。
ここまで読んで「ははーん」と思った人は、よほどのトリビア通。
以前、トリビアの泉で「森鴎外の好物はまんじゅう茶漬けだった」というのがあったのです。
それを見てからというもの、一度やってみたくてしょうがなかったルカ。念願かなってのまんじゅう茶漬けのお味は、「あんまり味がしないが、まずくはない」ということで、翌朝もまんじゅう茶漬けにしてご飯を召し上がり、学校にいったのでありました。
その日は実習面接があった日だというのに、こんなんでいいのかー、ルカ!と言う気もしますが、まっ、緊張でガチガチになるよりはよしとしましょう。
皆さんお待たせしました。(待ってない?) 本題にはいります。
2月のはじめから1週間、2年生最後の作業実習が始まります。今回はいよいよ実際の企業での現場実習となります。ただし、初回ということで、10数社ある実習先に、先生1人と、2人から5人くらいのグループに分かれての、グループ実習となります。
先週は待ちに待った実習先の発表でした。
「グループ分けってどんなふうにするんだろ? 今回は本人の向き不向きというよりは、地域で分けちゃうって話だよ〜」などと、お母さん達はああでもないこうでもないと勝手に噂をしながら、発表を待ちわびておりました。
ルカも発表まで、落ち着かない様子でした。彼の場合ここだけはぜったいダメというところがあるので、そこにあたったらどうしようと、不安でしかたがなかったようです。
絶対ダメだと思っているところは、二つ。
まず、サービス業。初対面の人ににこやかに「いらっしゃいませー」なんて、絶対イヤだということでした。
もう一つは、食品製造関係。衛生上帽子をかぶったり白衣をきたりと完全防備でやらなければならないこの仕事。そんな窮屈なことはできない! それに俺の手はばい菌があるから、食品にばい菌がきっと入る・・・というかなり強い思いこみがあり、絶対イヤだということでした。
一応、前回の面談の時、このことは先生に伝えてはあるものの、先生はその時「一度経験してみたら、案外平気だったということもあるのでは?」と、微妙な言い方をしていたので、もし、この二つになったら、私はどのようにフォローすればいいかしら?と、私も心配でした。
そして、結果は段ボールの組み立て、製造をやっている会社でした。
どんな観点でグループ分けをしたのか、よくはわからないのですが、地域別ではなく、ルカの場合は、ルカの希望を全面的に聞き入れてもらったようでした。
ルカは今、紙工という作業をやっていて、受注品も作っているわけですが、そのご注文を承っている会社でした。つまり、ほとんど現在やっている作業と同じ仕事ができるというわけで、ルカは大喜びでした。
そこの会社に先生1人と生徒5人で実習させてもらうことになりました。(高等養護は先生も働くんですよ〜)
先日は、その会社の下見をかねて、親と生徒と先生で会社に赴き、グループ面接がありました。面接というよりは、実習説明会みたいなものです。
「いいですかー、親御さんも生徒のみんなも、挨拶はきちんとしてくださいね。なによりもそれが大切です」と先生から指導を受けながら、現地へ。
責任者の方の丁寧な説明を聞き、仕事の見学もさせてもらいました。
ルカは「あ、やったことがある作業だ」とほっと一安心なのでした。
知的障害者の方を何人か雇用している会社で、温かい雰囲気のあるところでした。
今回は初回の校外現場実習ということで、ルカにはまず「やれる!」という自信をつけてもらいたいなーと思っています。
今週は通勤練習ということで、朝、学校へ行く前に一日だけ、実習先への交通ルートを実際に確認することになっています。
今回の実習の目的は、仕事の内容というよりは、5日間休まず、遅刻せずに行くことが目標です。ルカは学校へいく時間よりさらに30分早くでないといけないのですが、がんばって欲しいと思います。
いろいろ考えて、私も心臓バクバクだったのですが、私がこれではいけないと思い直しました。
これはルカの実習です。ルカががんばることなのです。親はそれを見守るだけです。自分のことのようにあれやこれや気をもまないで、「大丈夫!」とにこやかに送り出したいと思います。
実習先を後にして、一緒のグループの友達と分かれるとき、友達の一人が「ルカ、がんばろうな!」と肩をたたいてくれました。ルカも「うん!」と返事をしてました。
その純粋な気持ちに胸を打たれるルカママでした。
前に戻る