理性カード
先日、ルカは一人でリハのカウンセリングに行きました。
いつもはあまり悩みもないようだったのですが、今回は学校で2学期の終わりに携帯電話で失敗した件を相談しようと決めているようでした。
失敗したときは、もうこれからは絶対やらないようにと思うのに、友達とふざけていたりするとすぐ忘れてしまう・・・なんとかしたい、というのがルカのお悩みです。
帰ってきたルカに「どうだった」と聞いてみると、「うん、聞いてもらったよ」とルカ。
心理の先生にどの程度話したのだろう?と思い、相談した内容を聞いてみると、ありのままというよりは、かなり断片的で、あまり悪い話はしなかった様子・・・。まっ、あまり自分の失敗を話したくないルカの気持ちもわかりますが。
「そうそう、これ心理の先生にもらったんだ。俺が羽目を外しそうになったら思い出すようにって」とルカ。
カードには、「理性」と大きく書かれ裏側には「羽目を外しそうになっても理性を忘れず落ち着いて行動すること」というようなことが書いてありました。(ごめんなさい、かなり違うかも・・・)
「これでほんとに治るかなー、なかなか相談しても一発でこれだーって方法はないよね〜」とルカ。
「人間の心の中は難しいからね。風邪を治すようにすぐ効くものってないんだよ。」と答えながら、私もこのホームページで、相談に答えることもあるわけで、相談に答えながら「きっと、もっとすぐ効果のでる方法とか知りたいだろうなー」と思ってしまう自分に重ね合わせて、苦笑してしまいました。
まあ、心理の先生は私などとは違ってプロなので、比べては失礼ですが、私が思うになかなか即効性のある解決方法はないわけで、もしそれを自信をもって「きっとこれをやれば治ります」なんて言っている人がいたとしたら、その方がよほど信用できない人なのでは?と疑ってみたくもなります。
「そうだねー、心理の先生もこれであまり効果がないようだったら、また別の方法を考えてみようって言ってたよ」とルカも話しておりました。
さて3学期もはじまり、ルカは2学期末の例の事件で友達づきあいも自粛していたわけですが、やっぱり友達といるのは楽しいということで、自粛は早々と辞めて、また休日にみんなで遊んだり・・・ということが復活したようです。
ある夜
「あー、でも、やっぱり友達と一緒にいるとふざけて、また失敗しそうで怖いなー」とルカ。
「ほらっ、あのカード使ってる?」と聞くと
「うん、でも出して読むまで時間がかかるでしょ」とルカ。
「そうかー、じゃーカードを出さないで「理性」って、手のひらに3回書いて飲み込むって言うのはどうかなー」と、よく、緊張をほぐすために「人」と書いて飲み込むと落ち着くという話を思い出した私が、いいました。
するとルカ「ほっほー、よーし!」と何を思ったのかペンを持って洗面所に消えました。
しばらくして出てきたルカの顔と腕には「理性」とペンで大きく書かれておりました!
「これなら忘れないね」とルカ。
「あのー、それで外を歩けるわけないでしょ!」と私。
「あー、それもそうだ。でもお母さんが"書く"っていうからさー」とルカ。
そうじゃなくて、指でなぞるっていう意味だったんだけど・・・まさか、ほんとにペンで書くなんて、久々に驚きの私でした!
ルカには、説明し直して、きれいに字を落としてもらいました。
彼のお悩みを解決するのは、なかなか険しい道のりになりそうな予感です。
余談・・・。
私たちの話を聞いていたミミ。
「でもあれってさー、人前で緊張しないために、人なんてどうってことないやって、食っちゃうんでしょ。理性食っちゃいけないんじゃない?」
うーむ、なるほど。
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