・近況報告173

かけひき

あっという間にお正月休みも終わり、皆様通常の生活にぼちぼち戻っている頃でしょうか?
ルカがこのお正月楽しみにしていたのは、なんと言ってもお年玉。お年玉がでないことには大好きな電車の旅もままならず、首を長くしてまっていたのでありました。
といっても我が家はあまり親戚が多い方ではないので、高額は期待できず、私もちょっと不憫に思って今年は私からも奮発しました。
そういうこともあって、どうやらルカの懐もしばらくは温かい様子で、念願の電車の旅にも早々と出かけていきました。

この頃のルカはお金の大切さがわかるようになり、少しでもお金をもらえる方法はないかと考えているようです。
ところで、よくお手伝いをすると1回何円かのお駄賃を上げるという方法を耳にしますが、私はこの方法、ずっとやっていませんでした。
お金を払わないと手伝ってくれなくなるような・・・なんとなく抵抗があったのです。
ルカのお手伝いといえば、ミミと1日交代でやっている風呂掃除。この頃ミミは塾に部活に忙しく、風呂掃除の時間も留守のことが多いのですが、決まり事にはうるさいルカ、「ミミがやれない日も代わりにやって〜」と言っても「順番だから」とやってもらえませんでした。
それで試しに「1回100円でどう?」と言うと、ルカは大喜び! それ以来、ミミが留守で私もやりたくないときは、ルカに1回100円でルカにやってもらうことも多くなりました。

さて、この正月休みはミミは相変わらず早々と塾が始まって忙しく、ミミが掃除当番の時、ルカパパとルカでどっちかが風呂掃除をすることに・・・
ルカパパが「ルカ、お父さんにお金くれたら風呂掃除やってあげてもいいなー」と冗談半分にいいました。
お年玉をもらって少々リッチな気分のルカはとても乗り気。
「いいよ、いいよ」というルカに、なおもルカパパが「だけど100円じゃなー」というと 「うんわかった」と言ってそそくさと自分の部屋にお金をとりに行きました。
いくら持ってくるんだろ?とルカパパと待っていると、なんとルカは自分の全財産を持ってくるではありませんか!
ルカパパは一瞬考えましたが「よーし、全部もらおう」と全部受け取ろうとすると、さすがのルカもうろたえ「えっ、全部? そんな〜」といいながらも全部ルカパパに渡そうとしました。
さすがにルカパパも苦笑して「冗談だよ、お金はいらないよ。ルカ、こういう時の交渉は、お金の額の少ないところから交渉していくもんだよ。最初からそんな高額を持ち出したらだめだよ〜」と言ったのでありました。
「ああ、そうなんだー」とお金を渡さなくてもよくなったルカはほっとした様子で部屋に戻っていったのでありました。
その後ろ姿を眺めながら 「ルカは、かけひきなんてことはできないね」とルカパパと私はため息まじりに話しました。
お金が関わらなくても、日常でのルカと友達とのやりとりも、きっとこんな感じなんだろうなーと・・・。
もちろん、今の学校はルカよりももっとかけひきの下手な子もいて、それ故にルカものびのび暮らせているわけですが、学校を出たときのルカの周りに、悪い人がいませんように・・と願うばかりです。

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