人それぞれ
土・日はルカの学校の文化祭。
舞台発表と作業班のバザーと大忙しの2日間でした。
今年の舞台発表は「かぐや姫」。もちろん、パロディーです。ルカはナレーター役で得意の記憶力でばっちり暗記。とっても面白かったです!
今年はルカの中学の時の先生や、リハのドクターや心理の先生が見学にいらして下さいました。
「たくさん来てくれたねー」とルカもうれしかったようです。いろんな人の支えがあって今の君がいることを、しみじみと感じました。
さて本題。
この間ある著名な先生のお話を伺った話をここでも取り上げましたが、
その時、私が一番「その通りだ!」と思ったことを今日はお話ししたいと思います。
自閉症の人は、自分の考えに固執しやすく、他の人の考えを受け入れないところがあります。だから、子供と話すときは、「あなたの考えはわかったけれど、お母さんはこう思う」と、常に人にはいろんな考えがあることを教えていった方がいいというお話でした。
それは私も常に心がけていることです。
そうしなければいけないと思ったきっかけは(もちろん、本を読んだりして予備知識はあったのですが)、ルカが10歳くらいの時からでしょうか・・・。自分が「こうだ」ということを家族に強要するようになったのです。
例えば、家族で外出するとき、一番前はお父さん、次は・・・と歩くときの順番を決めてその通りに歩かないと、とても怒ったりしていたのです。
これは彼流のこだわりで、障害から来ているものと考えられますが、障害だからといってそれを認めてしまうと、彼が大きくなるにつれて、家族の中で暴君になってしまうのでは?という心配が私の中にありました。
そういうことがいろいろ出てきて、ルカのペースで家族が巻き添えをくわないように、あなたはそれがいいと思っても、周りの人はいやがっているんだよ、というようなことを繰り返し言い続けてきました。
もちろん、ルカの考えと違うことをいうと、ルカは動揺したり怒ったりするので、めんどくさいことになります。けれども、何度もそれを繰り返しているうちに「人それぞれだねー」という言葉がルカから出てくるようになりました。
自分と同じ考えを必ずしも、他人はしてくれないと言うことがわかってきて、ルカ自身も気持ちが楽になったところがあるようです。
ただ、自閉症の人は独特の考えや趣味があって、なかなか他人にわかってもらえないことが多いものです。
時には「そうだ、お母さんもそれに関しては同感だ!」という場面があると、ルカもとっても喜びます。
今の彼は「人に迷惑をかけない」ということを基準にしているので、他人に何かを強要することはないし、自分は自分というところがあります。
これからの課題としては、人に迷惑がかからなくても、法律に違反していなくても、人としてどうなのか?と言う部分、「良心の呵責」ということを教えたいなーと思うのですが、これは少々手強そうです。
子供と話すとき、「こんなことを言うとまためんどくさいことになる・・・」そんな考えが浮かんで、つい逃げ腰になってしまうことがあります。
でも、逃げずに話を聞いてあげる・・・子供の意見ばかりではなく、自分の意見もいう、叱責という形ではなくてそういう対話が大切なのかな?と思いました。
それはすぐには効果のでるものではないので、お子さんが小さいときは苦痛なことかもしれません。
でも、ルカぐらい大きくなると、そんな対話がとても楽しいひとときになっています。
人によってどこら辺まで、「人それぞれ」を受けいけられるのかは違ってくるとは思いますけどね。
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