・近況報告158

読書

2学期が始まりましたね。
ルカは先月末から部活が始まっていたせいか、早起きを苦にする様子もなく元気に通っています。
夏休み中茶髪だったお友達は、新学期には黒に戻してきたとか、ルカも新しい眼鏡を友達に見せたら「まあまあだ」と言われたとか、楽しい報告をしてくれました。

夏休みの宿題はないに等しいくらいの量で、毎日の生活の記入は私から言われるまでもなくマメに記入していたので問題なしですが、 ただ一つ、ちょっとめんどくさいなと思っていたことがありました。
それは読書。特に宿題ではなかったのですが、1学期の終わりに先生から「良かったら読んでね」と1冊の本を渡されたのです。
全部で400ページくらいの本です。
ルカはこの手の本は読んだことがありません。無理よね〜と内心思いつつ、「せっかくだから読んでみたら?」と一応私からもすすめてみました。
2、3ページ読んだらやめるかな?という私の予想とは裏腹に30ページくらい一気に読んでしまいました。
「これ、面白いね」と一言。
「青空のむこう」という本で、突然交通事故で死んでしまった少年が死語の世界でいろいろな体験をするお話です。
「死んだらどうなるのかな?」と漠然と疑問に思っていたルカにはとても新鮮だったようです。
これなら全部読めるかしら・・・と淡い期待を持った私だったのですが、それは少し甘かった。
小説によくありがちだと思いますが、導入部分は面白く、結末も面白い・・・しかしそこに至る中盤の中だるみの部分・・直接あらすじと関係ない表現の部分というのが、ルカにとってはこの上なく退屈。
いつのまにか全然読まなくなってしまいました。
そこで、せっかくいいお話なのにもったいなーと思った私は、ルカより先回りして小説を読破。中盤はとばしてだいたいここらへんから読むとあらすじがわかるかな?というところをみつけて、「ルカ、ここから最後まで読んでみたら?」と進めてみました。
ルカもそれくらいなら読めるということで、めでたく最後まで読むことができました。
どんな内容だったか聞いてみると、意外と正確に答えられていました。
ちょっととぱしてしまったけど、夏休みのいい経験になったのでは?と思います。
だからといってこの先、ルカが読書好きになるとは思えませんが。

この「青空のむこう」という本を読んだとき、私は昔の10歳くらいの自分をなつかしく思い出してしまいました。
人間はいつか死ぬということを知ってしまった私は、明日にでも死んでしまうような気がして、眠るとそのまま意識がなくなってしまうのが怖くなって、毎日とても不安な時期があったのです。
「なぜ、どうせ人間はいつかは死んでしまうのに、生まれてきたんだろう」と自分が生まれてきたこと自体に疑問がわいていました。
いつのまにかそんな不安は消えてしまったのですが、心の中で「なぜ?」という思いは消えていなかったように思います。
そんな私が初めて子供を産んだとき・・・ルカという新しい命に初めて対面したとき、私はなぜか「ああそうか。私はいつか死ぬんだなー。それが自然なんだなー」と、長年の疑問が解けたような気がしたのです。
ルカは生まれた瞬間から、私にいろんなことを教えていたんだなー、そんなことをぼんやり考えながら過ぎていった夏休みでありました。

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