・近況報告150

校内現場実習@

先週、ルカの学校では校内現場実習がありました。
1年の時の労働週間から更にステップアップして、校内の作業所を実際の会社にみたてて行います。
生徒は、一週間自分の教室には戻らず、直接作業所に出勤し、タイムカードを押して8:30〜16:00まで、少しの休憩を挟みながら、仕事をします。
先生達も、作業中は「社長」「主任」と呼び方が変わります。
作業の内容は、ルカの作文で紹介します。

校内現場実習を終えて

  6月23日から27日まで校内現場実習をやりました。ぼくは紙工でした。主にダンボールのばりとり、組み立てをやりました。
 2日目には業者の人が来て、完成品をわたしたり、新しいダンボールをもらって運んだりしました。大変でした。新しいダンボールの数、実に6千個、すごい数でした。
 3日目から組み立てをメインにやりました。3日目は315個完成しました。まあまあな数だと思いました。4日目は555個完成しました。これは1番多い数でした。いい数だと思います。
 5日目は大きいミスをしてしまいました。それは午後の作業におくれてきたことです。今後気をつけたいと思います。
 一週間の校内現場実習はつかれました。でも社会に出るためのいい経験になりました。お世話になった主任方、ありがとうございました。

学校では、実際に企業に現場実習に行った時、お世話になった会社の方へお礼状を出すので、その練習もかねて、1年の時から実習が終わったら作文を書くようにしています。
企業向けということで、大体パターンが決まっているので、ルカは比較的書きやすいようです。

今回の実習は、1年の時に比べて時間も長くかなりハードだったにもかかわらず、ルカはそんなに弱音を吐くこともなく、無事終わることができました。
その原因としては、学校の先生達が生徒1人1人の個性を把握していて、その子にあった指導ができるようになっていること。
今回の作業班にはルカのお友達のH君がいて、お互い励みになったこと等があげられると思います。
そして何より、ルカ自身、精神的に強くなってきたように思いました。
例えば、ダンボールの組み立ては4人で行います。その日できた個数が黒板に書き出され、誰が速くできたかが一目瞭然なのです。
視覚的インパクトが強いし、数や順番にこだわる子だと、かなり厳しいのでは?と思われます。
ルカは作業のスピードはめちゃくちゃ遅いし、一緒にやっている3人の友達が、またよくできるお子様ばかり・・・ 当然一番できあがり個数も少ないワケです。
私は内心「この状況にルカは耐えられのか?」と不安に思いましたが、ルカは
「人には苦手なことと得意なことがあるからって思うようにして、気にしないようにするよ」
と言っておりました。
あんまり気にしないのも問題かもしれませんが、ルカが自分自身で前向きな考えになれるように、イメージトレーニングできるようになったこと、とてもうれしいことだと思いました。
それと、ルカもどうしたら速くできるかいろいろと考えたらしく、
「一番速い子のやり方を研究して、技を盗んだら、結構速くなった」
とも言ってました。
中学の時、工作をやった時に、自分が1番おそかったと、家で涙したときをふと思い出してしまいました・・・。

それともう1つルカが苦手にしているというか、イヤだと思っていることが、大きな声で挨拶や報告をすること。
そんなルカにちょっぴりショックなことが・・・。
それは、仲良しのH君が、今回の実習になって、突然元気な声がでるようになったとのこと。
「もともと、大きい声で挨拶したりするタイプの子じゃなかったのに、ビックリしたよ。普段の作業の時間だってそんなに声がでてなかったのに。もう夢を見ているみたいだった・・・」と言ってました。
H君も自信がついてきて、声も大きく出せるようになったようです。

金曜日、私は参観に行きました。
なるほど、うわさのH君、ルカと同じ班で、とても生き生きして作業を楽しんでやっている印象すらあります。
「ルカ、お母さんきてるぞ」と、わざわざルカに教えています。
ルカは相変わらず、私が参観にきている状況にかなり緊張の面持ち。
他の同じ班の子達に比べても、いっぱい、いっぱいのルカと言った印象。
でも、時折笑顔も見られ、声もよく出ているような気がしました。
1年の作業の時と比べ、表情が軟らかくなっているなと思いました。

一生懸命何かに取り組んでいる生徒達を見るのは、実に気持ちのいいものです。
なんだかとても温かい気分になって、学校を後にしました。

前に戻る