いろんな人
先日、下校後のミミがとっても機嫌が悪いことがありました。
理由はこうです。
学校の帰り道、友達と喋りながら歩いていると、急に自転車に乗っている老人に
「道路の端を歩け!」と怒鳴られ、後ろから自転車ごとミミ達のところにつっこんで来て、更にいろいろ悪態をついて去っていった、というのです。
「足にタイヤがあたって痛かった・・・ベルをならしてくれれば私達だってよけたのに!」とミミはご立腹。
ミミ達が下校する道路はめったに車の通らない細い路地なので、横に広がって歩いている女子中学生にその老人もかなりご立腹だったのでしょう・・・でも、他にも注意の仕方があるのでは?とは思います。
自転車とはいえ、突然後ろからつっこんできて、轢かれてしまったわけですから・・・。怪我をしなかったのは幸いでした。
「ほらっ、制服着ているからね〜。うちの中学評判悪いでしょ? 制服見ただけで目の敵にされんのよ」とミミ。
確かに・・・。
「まあね〜。でも、横に広がって歩いていたあなた達にも否があるわけだし、ここは五分五分かしらね?」というと、私の言葉にミミは納得できず、黙って部屋に去っていくのでありました。
その一部始終を聞くともなしに聞いていた様子のルカ。
ミミがいなくなったのを見計らって私のところにきて
「ほんとに世の中、いろんな人がいるよねー。完全な人はいないからさ。俺だってそうだし」
と呟いたのでありました。
幾分、ミミに同情しているようでありました。
「俺も通学電車ではいろいろあったし」と。
そうだ、あの時はミミとルカの立場が今と正反対でした。お互い、他人事となると冷静に物事を考えられるようです。
それと、いつの間にかルカは、人は完全じゃないと素直に認められるようになったことを再認識しました。
人はこうあらねばならない、というかたくなさが、この頃のルカにはなくなってきています。
それが少しでもなくなってくると、アスペの人にとっても、この世の中、生きやすくなるかも知れませんね。
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