・近況報告129

言葉の意味

アスペルガーのお子様は、言語能力が高いのが特徴としてあげられます。普通の会話の中でも難しい言葉を駆使して、流ちょうにおしゃべりする子もいますね。
しかし、その言葉の一般的な意味がわかっているかどうかというと、かなりあやしくなります。

さて、ルカの場合。

3学期も労働週間の時期になり、ルカは来週一週間窯業の作業学習に励みます。
それに備えて、しおりを持ち帰りました。
これは、1学期から同じものを使っているので、ルカはもう一度見直していました。
そして、 「お母さん、前から気になっていたんだけど・・・」 と質問してきました。
質問は、2つ。
1日の反省を記入するページで、質問に対して「よくできた」「できた」「できなかった」のどれかに○をするところで、
「能率よく仕事ができたか?」という質問がありました。
「この"能率"って何?」とルカ。うーむ、言われて見ると難しいかも。
とりあえず、ルカの作業に関連づけて説明。
ところで、1学期も2学期も同じ質問表だったはずです。
ルカはどう答えていいかわからないまま、まんなかの「できた」に○をつけていたもようです。
そしてもう一つは、1日の作業が終わって先生がアドバイスをしおりに記入してくれるのですが、そこに「先を見通せ」と書いてありました。
1学期の時の先生からのアドバイスです。
これもわからないということ。うーむ、これはルカにとっては、「能率」の言葉の意味以上に難しいかも・・・。
とりあえず、説明してみたものの、言っている私は内心「ルカに先を見通せってか・・・・」みたいな気分でした。
どちらも、電子辞書で自分でも調べたらしいのですが、なかなか辞書の意味も難しいようです。
「先を見通す」に至っては、そのものは辞書に載ってないわけですし・・・
「わからないことは、わからないままにしないで、すぐに聞くようにしようね」とルカに言ってはみたものの、他のみんなはわかっているのだろうかと思ってしまいました。
生徒によるかもしれませんが、みんななんとなーく、理解できないまま流されているのでは?と思った次第です。
言葉の意味を説明していて思ったのは、その言葉の意味そのものより、それが普段の生活でどんな使われ方をしているのか、どんな行動と結びついているのかを理解するのはなかなか難しいということです。
例えば「能率」。辞書には、仕事のはかりどり具合。効率とありました。
お勉強のできるアスペの方は、辞書通りの答えをすらすらいうかもしれません。
しかし、実際自分のやっている仕事の中で能率よくというのはどういうこのなのか・・・というと、かなり難しいのではと思われます。
それでも言葉では、完璧に答えたりして、そのギャップが周囲を困惑させてしまうんだろうなーと思いました。

そうそう、言葉の意味といえば、このHP、今回ルカの新しいページを作るにあたりタイトルは何にしようかとみんなで話し合いました。
「横文字(英語)もかっこいいけど、やっぱりわかりやすくせいぜいカタカナに・・」などと話しているとルカが「えっ、横文字じゃないの? だってHPは縦に書けないじゃん!」と実に困った顔で言ったのでありました・・・まことに言葉の意味は難しいものです。

そんなルカではありますが、自分の電車の旅の所は入念にチェック。
私が「今度は、もう少し速い電車に・・・」と打ち込んでいると
「お母さん、これは時刻のはやいだから、早いが正解だよ」と教えてくれました。
参りました!!

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