会話
先週は、授業参観、学年懇談会、個人面談が1日で行われました。
授業参観は、クラス対抗ポートボール大会。
球技の苦手なはずなルカなのに、なんだかとっても出番がありました・・・ルカのクラスは球技の苦手な子が集まってしまったらしく、かろうじてボールを受けたり投げたりできるルカが活躍できたというわけです。なので3クラスと対戦して一度も勝てませんでした。でも、見ている私は十分楽しめました。
そして個人面談。
2学期の様子をいろいろと聞き、クラスではかなりリラックスムードで、冗談ばっかり言って、時にはクラスのみんなもルカの冗談にうんざり・・・なんてことは担任は言いませんが、多分そうなのだと思いました。
ルカって、慣れない人だと全然口を聞けないし、慣れてしまうと今度はエスカレートしてふざけすぎの状態になってしまって、普通の会話ができないんだよなーと、帰りの電車に揺られながら思いました。
ルカがまともな話をするのはどんな時だろうか?
私と話す時は、ルカが脱線しないように私がリードしてあげるとなんとかまとも。
好きな電車の話を、あんまり慣れない人とはにかみながら話すとなんとかまとも。
それと、一番「へーっ」と思うのは、ミミにテレビゲームの攻略法を教えている時。ミミとの会話もはずみ、しかもミミの知らないことを説明してくれるので、この時とばかりは頼れるお兄ちゃんで、聞いている私も感心してしまいます。
しかし、それ以外となると、どうも浮いた会話しかできてないように思います。
これの対策として考えられるのは、TEACCHプログラムの「構造化」(なんか久しぶりにこの言葉を使ったなー)かも知れません。
ルカの会話をスムーズに、脱線しないための場面設定を考える・・・なんの場面設定もなしに、全く自由な環境だと、ルカの障害の底辺が浮き彫りになってまうので、底上げのために周りの環境を整えて上げると、まともな会話能力もついて来るというわけです。
そんなことを、学校では知ってか知らずか、実は実行してくれているのです。
それは朝の3分間スピーチ。先生はこれを発展させていろいろ工夫しています。はじめは3分間スピーチを聴いたあと、先生がスピーチの内容を聞いていたみんなに質問します。
例えば「○○くんは昨日どこへ行ったと言ってましたか?」等。
そこから発展して、今度は二人で向かい合って会話の練習。
「昨日何を食べましたか?」「私は電車が好きですが、○○さんは好きですか」等。
そして、もっと発展させて1対クラスのみんなという形で、「昨日こんなコトがありました。みんなはどう思いますか?」と1人が提案し、みんながそのことについて意見を言うような設定。
いつもはおちゃらけた冗談でしか会話できないルカも、こうして場面設定してあげるとまともな会話をするようです。
そして、このまともな会話というのが、将来社会に出たときにとても必要になってくるものなのです。
だから、社会に出るために必要な能力を身につけるトレーニングをしなければならない・・・これがソーシャルスキルトレーニングというやつです。
これからも、どんどんやってもらたいなーと思いました。
でも・・・個人面談の時間が短くて、この話言えませんでした・・・。
それから、前述の「構造化」に関連することですが、個人面談時に
「ルカくんは、クラスでいる時と違って作業や教科学習のときは冗談を言わず真面目である」とのこと。
「それはきっと、ルカの中で学習時間は真面目にしようと区別しているんだと思います」と答えたのですが、
これも「構造化」の理論でいくと、作業や教科学習の時は、やることがはっきりしていて、本人にわかりやすい環境であること。自由度が少ない状態の方が、好ましい行動がでやすいということの現れだとも考えられると思います。
まっ、リラックスできる時間帯も必要で、ルカの素が出せる雰囲気のクラスで私も感謝はしているんですがね。
なかなかそのかねあいがむずかしい子なんだろうなと思います。
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