計画
ルカの電車の旅が始まってそろそろ1年になります。
はじめは私もドキドキでしたが、今ではすっかり慣れてしまいました。
先週の土曜日も埼玉方面へ出かけるとのことで、朝8時に家を出る予定でしたが、ちょっと寝坊をしてしまい10時の出発となってしまいました。
それでも元気に出かけたルカ・・・と思いきや、お昼頃
「ただいま」と元気なく戻ってきてしまいました。
「今日はやっぱりやめた」とのこと。
原因は、出かける時間が遅くなったから。
いつも、門限午後6時に間に合うように駅すぱあとで調べていろいろ計画を立ててからいくルカ。
埼玉といってもそんなに遠くじゃないので、朝10時に出ても門限には間に合いそうなものですが、計画より2時間も遅れていることがルカの不安につながったようです。
「いろいろ考えてやっぱりもどることにした。その代わり明日東京方面に行く」とルカ。
はー、そういうことになるのか・・・と私。
「なんで行き先まで変えるの? せっかく路線を調べたんだから、日にちだけ変えて同じところへ行けばいいのに」
昔の私だったらそう聞いていたに違いありません。
けれどもルカはそういうヤツなのがこの頃やっとわかってきました。
計画通りにできなかったストレスは、私たちの比ではないようです。
小学校の頃は、旅行の計画表を自分でつくり、そのとおり行かないと
「なんで俺は計画どおりいかないんだろう」と大騒ぎをしていました。
今はそれほどではありませんが、気持ちが落ち着かないのは変わりがないようです。
計画通りできなかったら、計画の一部を変えるのではなく、全面的に変えることで、彼は気持ちの折り合いをつけているのかもしれません。
まあそう難しく考えなくても「一度けちのついたところは行かねーよ」みたいな気持ちでしょうか・・・。
電車の旅だけではなく、計画通りにいかないこと、自分の思い通りにいかなかったことがあると、ルカはそのうまく行かないことだけではなくて、全部をとりやめてしまうことがよくあります。
テレビを7時きっかりに見ようとしたのに、1分過ぎてしまったがために、テレビを見るのをやめてしまったこと・・・1度や2度ではありません。
1分過ぎたからといって、どうということはないのですが・・・ルカはそういうヤツなのです。
そんな時は「見ればいいじゃない」などと言わないで、本人のしたいようにしておくのが一番です。
彼にしてみれば計画通り行かなくて、ホントはパニックの一つも起こしたいところを、「電車の旅の行き先を変える」「テレビを見ない」という代償を払うことによって、落ちついていられるのかもしれません。
きっとルカだけではなく、計画通りに行かなくてとてもつらい思いをしているASの人たちって多いのでしょうね。
そんなとき、計画通り行かなかった・・・仕方ない・・・かわりに〜〜しよう! それで自分の気持ちにケリをつけよう!
そんなふうに考える習慣をつけることも大切かなと考えています。
前に戻る