電車通学A
先週に引き続きまたまた電車通学での出来事。
その日は体育祭。
ホントは先週の土曜日が体育祭でしたが雨のため延期。そして翌週の火曜日に行われました。
私も見に行きました。
一言でいうと楽しそう〜。高等養護の子たちはどうやら皆、お祭り好きらしい・・・。
各種目もさることながら、それぞれ係の仕事を分担し責任を持ってやっている様子。ルカは放送係で、2年生の80メートル走を実況アナウンス。
「あっ、赤が一位です。白がんばれ、皆さんもご声援お願いします」と、気分はすっかり古○一郎でした。
体育祭は順調に過ぎていき昼時間。ルカのクラスは教室で親と一緒にお弁当を食べました。
上機嫌のはずのルカ・・・なのに困った顔をして私の顔を見るなり
「今日も電車で注意された・・・」とポツリ。
リュックをまた背負っていたのか?と思いましたが、今度は違うおじさんに「並べ!」と言われたそうです。
「また変なおじさんに会っちゃった」とルカ。それを聞いて私は
「並んでなかったんじゃないの?」と聞くと
「えっ、俺が悪いっていうの???」とかなり動揺し、「弁当を食う気がなくなった」という始末。
せっかくの体育祭です。その話は後にしようということで、なんとかその場は切り抜けました。
帰宅後、もう一度ルカから詳しく話を聞きました。
話だけではわからないので和室のふすまを電車のドアにみたてて再現してもらいました。
それらを総合するとやはり怒鳴られるのも仕方のない状況でした。
それはH駅で向かい側の電車に乗り換えの時・・・。
ルカは同じJRなのですが、1度か2度乗り換えをします。それが複雑なことにいろいろな行き先がありまして、はじめに乗った電車の終点によって次の乗り換える駅が違うのです。
いつもはH駅よりもう少し先のI駅で乗り換え・・・ここはあまり混雑してません。
しかしその日は体育祭の準備ということで、いつもより早く出たので、H駅乗り換えとなったようです。ここは、駅自体は小さい駅ですが、
各方面への重要な乗り換えポイントになっているので、混雑します。
電車がくるまでに少し間があり、長蛇の列になっていたらしいのです。
なのにルカはドアの両脇にきちんと並んでいる人たちを尻目に、ドアの真ん中から乗ろうとしたところ、いちばん先頭に並んでいたおじさんに肩をつかまれ「並べ!」と怒鳴られ、強引に後ろに追いやられたもようです。
「だって、並んでいる列の何処がいちばん後ろかわからなかったんだもん。あのおじさん! 頭つるつるでさー、メガネかけててさー、今でも似顔絵がかけるよ!」とルカ。
私はコトの一部始終を聞いて、がっくり・・・
「ルカ、やっぱりあなたが悪いよ」と言う言葉にも力が入りません。
電車の一人旅をしていて、それ以前からも電車のマナーは教えてきたつもりなのに、君はなんてことをしていたんだろうか・・・・
でも確かに、通勤電車でのマナーは教えてなかった・・・。
それでも周りを見ればわかりそうなものじゃないか・・・しかしそれは、ルカには通用しないことでした。
電車のホームでは、その時によって自然と列ができたり、並ばないでなんとなーく乗ってしまうこともあるし、朝のラッシュ時は2列3列に並んでいて列によって待っている電車が違ったり、そういうまか不思議な状況を皆なんとなーく理解して乗っているわけです。
ルカにとってはその列のわかりにくさと、やはり電車のドアが閉まってしまうんじゃないかという恐怖もあったようです。
「電車のドアはね、駅員さんが危なくないかチェックしてから閉まるから・・・そんな急がなくていいんだよ」と説明すると
「そうなんだよね。俺もこのごろやっとそれに気づいたよ。前まではドアが閉まる音楽が鳴り終わったら自動で閉まると思っていたよ」とルカ。
そう言えば一緒に乗っていたときもやけにあわてて電車に駆け込んでいたよなー。
「わかったよ、列ができたら並ぶよ!」とルカは渋々、自分の非を認めました。
次の日の朝、私は一大決心をしてルカと一緒に最寄りの駅まで様子を見に行くことにしました。
朝二人で朝ご飯を食べながらそのことを話すと「お母さん、本気で言ってるの?」とルカ。
「本気。ルカの電車の乗り方を一度チェックしたいから」と私。
あーあ、それにしてもルカパパの会社はなんで今年度から30分遅れに始まるようになったんだろ? せっかくルカと途中まで一緒なんだから、一緒に通勤してもらいたかったのに、よりによって今年度からルカより遅い時間に出てもまにあうようになっちゃって・・・・などと内心考えていると、
「俺がついていくよ」とルカパパが起きてきました。
「えっ、でもそんな早く会社に行っても開いてないんじゃないの」と、内心ラッキーと思いながら聞く私。
「開いてるよ」とルカパパ。かくしてその日、二人は仲良く家を出て行きました。
結果は・・・「特に問題はなかったなあ〜、あそこの駅は列はできてなかったし」とのこと。
あらら・・・そうなのよ、駅や時間帯によって違うのです。
まあ、あれだけ説明したんだし、ルカもわかってくれたと信じよう。
それにしてもつるつる頭のおじさんに注意されなかったら、ルカはいつまでもマナーを守れなかったわけです。
ここは一つおじさんには感謝しなくちゃね!
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