・近況報告 その93


部活

5月に入り学校の授業も本格的になってきました。
そして部活動の仮入部も始まりました。
ルカは中学時代は部活はやりませんでした。ルカも希望してなかったし、ルカの中学では個別支援学級の子はほとんどやってませんでした。
ところが、高等養護学校は部活がとてもさかんです。
受験の面接の時から「部活はどうですか」と聞かれていました。ルカの答えはもちろん「ノー」。
彼は一人で自分の趣味に没頭することが何よりも好きなので、部活に対する興味は皆無です。
しかし学校としては部活を通して、
就労にも役立つ、体力・精神力を鍛える。
部活を通して友達とのコミュニケーションをはかる。
余暇活動の充実。
等々の理由で部活は希望者のみと言いながら、かなり勧めます。
私もルカの好きにしていいと言いながら、ホントは運動部に入ってくれたらなあ・・・なんて淡い希望がありました。ルカは陸上系ならなんとか人並みにできるので、陸上部とか入ったらかっこいいのに・・・と思ったりするわけです。
しかし、運動系は朝練はあるし、遠征にいったりとかなり活発な様子。当然、朝やっと時間時通りに起きるのに慣れたルカにとっては、朝練なんて無理な話です。
ならば、あまり負担のかからないパソコン部はどうだろうか・・・と、誰しも思うところですが、ルカはパソコンもキーボードを打つのが遅いのであまり乗り気ではありません。

とりあえず、部活の見学はクラスごと授業の一環として行われたので、ルカも見学しました。
見学を終えた日、ルカは心配そうに私に聞きました。 「茶道部の見学に行ったんだけど、お茶とお菓子を出された。飲みたい人は?と聞かれて、俺は手を挙げなかったのにどういうわけかお茶とお菓子をもらって食べてしまった。食べたのに入部しなかったら失礼にあたるのではないだろうか」とかなりマジに悩んでおりました!
ルカのそういうマジなところ、好きなんだよなあ、私。
笑いをこらえながら、大丈夫と言ってあげました。
その他いろいろ見学したようですが、興味があったものはなかった様子です。
鉄道愛好会があったら入部も考えたかもしれないとルカ。でも、鉄道愛好会は昨年まで部活ではなく授業の一環としてクラブ活動で存在してたようですが、今年度から週休2日制になりクラブの時間がとれなくなったとか・・・まことに残念な話です。
ルカにとっては、電車の旅、バッティングセンター、サイクリング、テレビゲーム、パソコン(駅すぱあと)と余暇は十分すぎるほど充実しており、部活の必要性はほとんど感じてないのでしょう。
かくして仮入部もせずに、部活はやらないこととなりました。

ルカはやはり人とのつきあいというのが苦手なんだなと、高等養護に行ってつくづく感じてます。
軽度の障害を持った子供たちといってもルカとは違うんだなあ・・・と。
先日、学校に用事があって、生徒達の下校風景に遭遇しました。 ルカは授業が終わってさっさと帰ったらしく、見あたりませんでした。
昇降口のところで、一年生達がケータイを交換しあっています。お互いの電話番号を入れている様子。
「へえー、もうこんなことしてるんだあ」と驚きです。その中には同じ中学だったsさんもいました。みんな楽しそうです。
ルカには考えられないことだなあ・・・でも、ルカも友達と話すことがイヤなわけではないのです。ただ、気の合う子がいないだけ・・だと思います。
ルカと同様、高等養護に入って、なにかと驚きの私です。

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