一週間
養護学校に入学して一週間が過ぎました。
月曜日から、ルカは早く金曜日にならないかなあとぼやいていました。
やはり学校まで1時間30分かかるので、朝が非常にきつそうです。
初日、6時45分にはりきって家を出たルカでしたが、朝がはやいため家でゆっくりトイレにいけなかったらしく、駅でお腹の調子が悪くなり、駅のトイレへ直行。
駅のトイレはあまりきれいではなく、臭いの敏感なルカはがまんしてトイレを済ましたものの、それから気持ちが悪くなったということです。
何とか学校にはたどりつき、授業も受けてかえって来たのですか、また明日も具合が悪くなるのでは?と不安な様子でした。
そして次の日の朝、案の定家を出る時間がせまってきているというのに、ごはんも食べず、着替えをする気配もありません。
どうしたものか・・・。わずか2日目にしてリタイアでは情けなさすぎます。かわいそうかとも思ったのですが、
「ルカ、さっさと支度しなさい!!」とカツを入れてしまいました。
ルカは私の剣幕におののき、なんとか着替えをすませて学校へ行きました。
具合が悪いのは朝だけで、学校で授業を受けているうちに良くなるとのことでした。
学校が始まって5日目の現在、朝はまだまだきつい様子ですが、少しずつ笑顔がみられるようになりました。
でも相変わらずお腹の調子が悪いらしく、薬を飲んだり、「朝は消化の良いおかゆにして欲しい」と私にリクエスト、寝る時間も早めにと、なんとか体調を良くしたいとがんばっている様子です。
何もかも初めてづくし・・・ルカは初対面の人と慣れるのにも時間がかかるやつなので、精神的にかなりきつい時期です。
今週の休みに予定していた電車の旅も、延期することにしたそうで、誰よりもルカ自身がはやく体調がもとどおりになって、学校生活に慣れたいと思っているのでしょうね。
ところで、ルカの学校は卒業後、一般就労するという明確な目的があるので、学校は入学式の日から「就労に向けてがんばりましょう」みたいな感じで活気づいてます。
しかしその反面、その目的達成のための努力も必要なわけで「親御さんのバックアップが是非とも必要」ということです。といっても、親が厳しく指導するわけではなく、むしろ学校で厳しい分、家ではいろいろ話を聞いてあげたりして精神的に支えて欲しいとのことでした。
まあ、全体会でお話される内容は厳しいですが、基本的に養護学校なので、温かい雰囲気があります。先生の人数も多いし、とてもはりきっている様子がうかがえます。
火曜日は早速授業参観がありましたが、みんな楽しそうでした。
とりあえず、まだ始まったばかりなので、部活の説明会や、作業実習の説明会、教科学習のクラス分けのためのテスト、等々あわただしくやっています。
クラスは一応8人ずつにわかれているのですが、教科学習や作業の時はまた、能力別クラスになるらしく、結局48人の学年単位で動くと考えた方が良さそうです。
参観の時は、ホームルームの時間で、自分の机の確認やロッカーの確認などをやってました。
「机といすに名前をはって下さい」という指示があり、先生の机から自分の名ふだを持ってきて貼ればいいだけのことなのですが、
ルカの様子を見てみると、机には貼ったものの、いったんいすに名札を貼ったと思ったらまたはがし、ぼーっと座っています。
「何やってんのよー」と歯ぎしりの私。
先生もそれに気づき「あっ、いすにも貼って」と言われ、ようやくまた貼りました。
後でルカに聞いて見ると、「いすに貼るのかどうかわからなくて、ひょっとして名札が2枚あるのは、予備なのかなあと思って・・・」とのこと。先生は「机といすに貼って」と確かにあのとき言っていたし、周りを見ればわかりそうなものだし、わからなければ聞けばいいことなのですが、ルカはそれをせずにただぼーっといすに座っていたわけです。
「わからなくなったら先生に聞いた方がいいよ」と言ったのですが、まだまだそこまで慣れていない様子です・・・。
まあ、ルカだけではなく他の子も、「貼って」と言われても、名札の端にちょっとテープで止めてはがれそうになっていたり、場所がなかなかわからなかったり、一見障害が軽そうに見える子供たちでも、細かな指示がないとなかなか動けないことが、よくわかりました。
私たちがふだん何気なくやっていること、それが実はとても難しかったりする・・・やはりこれがこの子達の課題なんですね。
とりあえず、無事1週間が過ぎました。土・日は十分に休養をとってもらいたいものです。
前に戻る