入学式
4月5日は市立高等養護学校の入学式でした。
3月中は中学を卒業して開放感でいっぱいのルカでした。高校のこと心配じゃないのかな?と思っていましたが、どうやら彼は、4月になったら高校モードに入ろうと決めていたらしいです。
4月1日の朝、「あれっ、変だなあ〜」という声とともに起きてきました。
何が変かというと、今日から高校生だというのに顔が昨日と全然変わってないじゃないかということでした・・・。
そしてミミにも、「今日から中学生なのに昨日と変わらないね」と話しかけてました。
ミミが「そんな1日で変わるわけないでしょ!」とつっこみを入れたのは、言うまでもないことですが・・・。
彼はどこまで本気でそんなことを考えていたのでしょうか?
さて4月から入学モードに切り替えたルカの第1の課題は制服。中学までは学ランだったのに、今度はブレザーということでネクタイを結ばなくてはなりません。1日〜5日まで、毎日特訓! なんとか一人で結べるようになりました。最後の手直しがまだ必要ですが。
式当日、私とルカで学校に出発。十分に余裕をとって出かけたのに、駅で快速の電車が来たため、
「お母さん、快速だ! 速く!」と普段走ったことのない私を走らせ、ぎりぎりセーフで快速電車に乗り込みました。
そんなにあわてなくても、十分間に合うのですが・・・。おかげで予定よりかなり早く学校に到着してしまいました。
入学式は、直前に簡単なリハーサルを済ませただけでしたが、皆さんすぐに覚え、無事に式は済みました。
全体で同じ動きをするということは、小・中学校から鍛えられているんだなあと感じました。
ルカの学年は48人。そのうち女子が13人くらいです。6クラスに分かれています。
ルカのクラスは男子5人、女子3人、担任は男の先生と女の先生の2人です。
男の担任の先生・・・見たことあるなあと思ったら、試験の時の面接官でした。
「君、会ったことあるね。確か面接の時の・・・」と声をかけられてました。ルカもしっかり覚えていたようです。
初日ということで、クラスに帰っても皆おとなしい感じだったので、ルカも安心した様子でした。
何よりも先生のだじゃれがすっかり気に入った様子です。
「月曜日はお弁当はナシです。あっ、間違って梨を持って来ないように」というかなり古典的なだじゃれにすっかりはまってしまい、家に戻ってからも笑っておりました。
さてすべて無事終了したと思ったら、帰りにちょっとしたハプニング。
上履きが、式当日に配布となり、クラスですぐ名前を書かせられたようなので、持ち帰らなくてもいいなと私は思ったのですが、
ルカは持ち帰るというのです。
「持ち帰っていちいち名前を書かなくてもいいように、先生は名前を書けといったんだから、置いていっていいんじゃない?」
と私が言うと
「えっ、そんなつもりで先生は名前を書けって言ったの?俺は全然考えてなかった。ただ名前を書けと言われたから書いただけ。だって先生は"名前を書いて"としか言わなかったよ・・・」と、混乱が始まってしまいしました。
結局置いて帰ったのですか、気持ちがなかなか静まらない様子でした。
少しして、ルカは深呼吸を一つして
「俺がパニクッてる(頭の中がパニックになっている)のは、もしかしたらお腹がすいているせいかもしれないね。そうだよ。危なかったなあ〜。このまま行くと自傷行為を起こしそうだった」
と言いました。
そういえば、早めに軽くお昼を食べただけなので、ルカの言うとおりです。長時間の式で私もかなり疲れているので、ルカはその比ではないのかも・・・。
「駅に着いたらなにか食べようね」と話し、それからは落ち着きを取り戻しました。
単に言われたことが理解できないだけではなく、その時の体調とかいろいろなことが関係して、調子を崩してしまうのを、ルカ自身も気づいてきているようです。
それにしても、確かに自傷行為をしなくてよかった・・・(まあ、自傷といっても頭や胸をたたくだけなのですが)。上履き1つでそんなに追いつめられているとは、私も気づきませんでした。
月曜日からはいよいよ一人での通学が始まります。
朝は、7時前に家を出なくてはなりません。
電車は慣れているのですが、やはり初日くらいは・・・と思い、ルカパパの会社が途中まで同じ方向なので、ルカパパと一緒に行ったら、と提案してみました。
しかし返事は「高校生なのに、親と一緒に行くわけにはいかない」ということでした。
やっぱりね。そう来たか。
ところで私は何時に起きればいいのだろうか? 春休みに戻りたい・・・
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