・近況報告 その81


49日

昨年亡くなったルカのおじいちゃんの49日がありました。
もう1ヶ月以上も経っていることもあって周囲もだいぶ落ち着いてきました。

しかしハプニングはつきものです。
お寺に行く途中、昼御飯を食べようと、家族4人でファミレスに入りました。
この頃は、ウォクーマンや耳栓を利用して、外食も以前よりは大丈夫になってきたルカです。
しかし・・・そこのファミレスはルカにとっては最悪でした。子連れの若いお母さん達の隣の席になってしまったのです。
しかも、そのうち一人の男の子が泣きだし、レストラン内が騒然とする雰囲気でありました。
ルカだけではなく私もキレそうになりました。でも、ここはファミレス、しかも禁煙席・・・考えようによってはお子さま達のパラダイスなのです。それが嫌なら、違う店に行けばいいのですが、たばこの煙が苦手なルカは大人向けのレストランもダメなのです。
私たちもこの頃ルカが、あまり子どもの泣き声を気にしなくなったと、油断していたのも確かです。
耳栓もウォークマンもせずに「もう〜我慢できない」と怒り出すルカ。
いらいらしていた私はつい、「そんなふうに人のせいにばかりして、たまには自分でどうしたら楽なるのか、考えて見なさい! ウォークマンもあるんだから使えばいいじゃない」と言ってしまいました。(かなりの泣き声だったのでウォークマンもほとんど役には立たなかったとは思いますが)
ルカは私の思いがけない言葉にますます動揺してしまいましたが、言われたとおりにウォークマンをして何とか自分の分を食べ終えて、早々にファミレスを出て、車で私たちが食事が終わるのを待っていました。
私たちが戻るとルカはいくらか気分が落ち着いて、しくしく泣いておりました。
「またみんなに迷惑かけちゃったね・・・」
またルカが「なんで子どもはわがままなんだ!」と怒ることを予想していた私は、ルカの意外な言葉にはっとさせられました。
そんなふうに考えていたのか・・・ルカはルカで悩んでいることがわかりました。 私の「人のせいにばかりして」という言葉も効いているのかも知れません。

しかし、それはともかく、これからお寺に行って、親戚の人にも会わなければいけないのに、さあ、困った!
ルカも「どうしよう、このままではいけない」と言ってます。
もう少し、車で休んでから行こうということになり、10分くらいしてから発車しました。
幸い、お寺に着く頃にはだいぶ気も静まり、 「お母さん、ファミレスのネギトロ丼、おいしかったね」等と話しかけてきました。
あんなに動揺してたのに、味だけはわかっていたようで・・・・やれやれ・・・これでまたしばらく外食はできないのかなあ〜などと、私の方はすっかりブルーな気持です。

49日は無事に終わり、おじいちゃんのことも一段落です。
今回ルカは、「人の死」というものを強く実感したように思います。 以前からルカは、犯罪者の量刑に関して、不満を口にしていました。(あまりいい話題でなくてごめんなさい) たとえば、「殺人罪の人は皆死刑にすべきだ」というのがルカの持論でした。
しかし最近になってその考えを改めたようなのです。
「やっぱり、どんな人でも死ぬっていうのは大変なことだから、簡単には決められないよね」と言うようになりました。
ルカをとてもかわいがってくれたおじいちゃん。最期にとても大切な事を教えてくれたんだね。

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