李下の冠
いつも電車の旅の時はインスタントカメラを用意するルカですが、最近はカメラだけではもの足りず、ビデオも持って行きたがるようになりました。
家族で旅行の時は、車に積んで持って行くこともあるのですが、ルカ一人でとなると何かと心配です。
ビデオ壊すなよーっと言う気持ちと、なんと言っても電車とビデオという組み合わせ。
本人は電車を撮っているつもりでも、周りから見ると何を撮っているのだろうかと誤解されないかなあ・・・と心配なワケです。
いかがわしいビデオを撮っていると思われ、警察に突きだされでもしないかと思うわけです。
でも、どうやってそれを本人に説明しようか・・・
実は一度ビデオを持って行ったことがあるのですが、撮ったビデオを見るとどうやら座席に座って、向かい側の窓から見える景色を撮ったようなのです。向かい側に座っている人の顔も撮れていたりいたりして、向かい側に座っている人は自分が撮影されているような気分でいやだったのではないでしょうか。
「ルカ、電車に乗ってビデオ撮るときは座席に座らないで、ドアのところに立ってドアの窓越しに撮るようにしたら?」と提案しました。
「えっ、どうして?」
案の定、ルカは聞いてきます。
「席に座って撮ると、向かい側の席の人も撮ってしまうのでしょ。そういうのって撮られた人はいやなんじゃないかなー」
こういってもまだ納得行かない様子。
もう、しょうがない!! 言ってしまえ!
意を決した私は、世の中には悪い男の人がいて、ビデオを隠し持って、女子高生のスカートの中とかを撮るのを趣味にしている人がいるということ、ルカもそんな人に間違われはしないかと、母は心配しているのだと話しました。
するとルカは、意外なことに「なるほど、いるいる」とすでに御存じの様子。少年マンガの影響かなあ・・・。
「でも、俺はそんなつもりじゃないよ」とルカ。そんなつもりじゃなくても疑われるようなことはやめるべきだ、例えば・・・ということで、表題のことわざを引用したわけです。
そんな難しいことわざ言ったらますますわかんなくなるんじゃーないの?と、つっこみをいれたくなる方もいらっしゃると思いますが、ルカの場合、難しい言葉を使ったほうが印象に残って覚えてくれることも多いのです。
今回も、何とか納得してくれたようでした。ことわざも気に入って覚えてくれたようですが、ずーっと覚えているかと思えばそうでもなくてルカの学力が伸びないのはこのせいかと思ってみたりもします。
まあ、それはさておき、結局ビデオは持って行くが、極力人は撮らないようにする、電車に乗って撮るときは座らないで撮る、ということにしました。
電車の旅も回を重ね、旅慣れてきた?ルカですが、はたから見るとやっぱり変な行動が多いのかなあ・・・でも、全部注意するのも酷だし、"人に迷惑がかかるか、かからないか"の範囲で教えて行くしかないかなあと思う私です。
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