雨
やっと秋晴れが続くようになりましたが、ちょっと前までは台風が来たり、天気もめまぐるしく変わりましたね。
この頃は天気予報もよく当たるようになり、私は天気予報を見ながら、
「今日は雨が降るらしいよ」とルカに言ったりするのですが、
そんなとき、決ってルカは
「お母さん、ばっかじゃなーい? こんなにいい天気なのに雨なんか降るはずないよ」と自信満々に答えるのです。
朝、晴れていても夕方には天気が変わって雨になるということ、ルカももう十数年生きているわけですから、いい加減わかりそうなものなのですが・・・。
とある雨の日。
その日も午後から雨が降り出し、ルカは学校においてあった折り畳みの傘をさして帰ってきました。
頭から血を流して!
下校途中に雨が降り出し、雨があたらないところでしゃがんで傘を広げて立ち上がったら、コンクリートの壁に頭をぶつけたとのこと。
幸い、出血も大したことはなく、頭の傷はすぐ治りました。
その時私は思い出しました。そういえば、前の雨の日もけがをして帰って来たよなあ・・・と。
その日は台風が接近していて風も強かった日で、
「雨と戦ってきた!」とルカは話し、手にすり傷の跡があり、血がポタポタと流れていました。
「血がとまらない、どうしよう。」とルカはおろおろしていました。
傘はもちろんボロボロです。
どうやらルカは、雨が降るとかなり動揺してあわててしまうので、それがけがにつながっているようです。
「私の障害・私の個性」というASの人の自伝を読んでいたら、
「物ごとは永久に続かないし、続くはずもない、何度も経験して頭ではわかっているはずなのに、なかなか心の準備をする習慣が身につかない」という言葉が出てくるのですが、ルカもまさにその通りなのでしょう。
また、「同じ事柄でも、一度びっくりしたものは、その後何度遭遇してもびっくりしてしまう」とも書いてあります。
ルカも些細なことでよくびっくりします。
例えば、夜、ルカの洗濯物をしまおうとルカの部屋をノックするのですが、毎日のことなのにそのたびにルカはびっくりしているのです。
「明日は天気予報だと雨らしいよ」私が何気なく言うと、となりにいたミミが「お母さん!」といってなにやら目で訴えています。
多分ミミはこう言いたかったのです。
「お兄ちゃんの前で雨の話をすると、また"そんなはずない!"とムキになるから、その話題は避けようよ」と。
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