・近況報告 その54


カーテン

毎日暑い日が続きます。
私はもうバテバテですが、ルカは割と暑いのは平気。
毎年夏になると、ルカの部屋の窓を開ける、開けないで、騒いでしまう我が家です。
ルカはどうも、自分の部屋はできるだけ閉め切っておきたいようなのですが、
この暑さ・・・ルカの部屋にはクーラーはなく小さい扇風機だけ。
それで、窓も開けないで閉めきるとなれば、果たして彼の部屋の温度は何度なのだろうか・・・
しかも、扇風機が回っているのも見たことがないのです。
30度をはるかに超えているのは確実。
人は暑さにどこまで耐えられるのか・・・まるで人体実験でもしているようなものです。

心配になってときどきは窓を開けるように言うと、今度は網戸だけにして窓もカーテンも全部全開!
ルカの部屋側は、マンションの別棟に面していて、夜カーテンを閉めてないと、別棟の家の人が食事をしているのまでわかるくらい、よく見えてしまうのです。
ということは、ルカの部屋のカーテンを開けていると、逆にルカの部屋が丸見えというわけです。
「ルカ、窓だけ開けてカーテンは閉めなさい」
私が注意すると、ルカは「またかー」といって、
レースカーテンだけではなく、遮光カーテンも窓も全部閉め切るルカ。
「そうじゃなくて、レースのカーテンだけ閉めるようにして!」
こんな会話が何度続いたことでしょう。
窓を開けないと風通しが悪くなって、暑いということ、カーテンを開けるとルカの部屋が丸見えになるから、カーテンは閉めてと、私としては、丁寧に説明したつもりでしたが、どうもルカには通じないようです。

とある日もそんな押し問答が続いた末、ルカはとうとう顔が真っ赤になってきて、パニック寸前。
ずーっと下を向いて、身動き一つしなくなりました。
やばい!
ルカは、それでも一生懸命考えている様子。そして、ついにある結論が・・・
「わかった。レースのカーテンはナニがあっても開かなくすればいいんだ!」そういってガムテープでカーテンが開かないように固定しようとしました。
私も、やれやれと思いつつ、ガムテープではいかにも見栄えが悪いので、洗濯ばさみ(これも見栄えがいいものではありませんが)でカーテンを固定させました・・・
これでやっと、我が家の悩みは一つ解決したわけです。

考えてみれば、ルカはもともと暑いのは平気なので、窓を開ける必要は感じてなく、ましてや自分の部屋が丸見えだろうとなかろうと、別に問題はなかったのでしょう。
私が、いくら説明しても、自分の部屋が外からどういうふうに見えるかなんて、想像がつかないのだと思います。
暑かったら、窓だけ開けて、カーテンは開けるなといわれても、彼にはとても複雑なことに感じていたに違いありません。
窓、といっても、網戸は閉めておく。カーテン、といってもレースのカーテンはそのままで・・・と、私たちは何気なく当然のことのようにしていることなのですが、彼にはこの上もなく難しかった、ということです。
私がもっと早く気づいてやるべきだったと、反省しました。

しかし・・・
やっぱり暑いよねえ。この暑いのに、夜は窓もドアもきっちり閉めて、遮光カーテンまできっちり締めて寝てしまうルカ。
脱水症状になんないのかなあ〜。

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