Aクラブ
前にも書きましたが、ルカはAクラブという障害児の活動グループに入っています。
(近況報告その26参照)
この頃は活動場所にも一人でいけるようになり、この調子で続いてくれればいいなあと思っていたところが・・・
6月のとある活動日、それは起こった。
その日は電車博物館見学と、ボーリング大会。
夕方、活動を終えて元気に帰ってきたと思ったのですが、
「俺はAクラブを辞める!」と、突然宣言したのです。
「えーっなんでー」と私とルカパパはびっくり仰天!
くわしく話を聞いてみると・・・
いつもルカの顔を見ると悪口を言ってくるやつがいる。電車博物館でも言われたので、その子を追いかけ回した。館内を走り回ったので周囲の人にはかなりヒンシュクをかっていたらしいが、とりあえずその時は、リーダー(大学生のボランティア)からは厳しい注意は受けなかった。
その後のボーリング会場に行ったときも、例の子が走り回るので俺は"また走っている"と思いながら近くに行ってみたら、リーダーが俺の襟首をつかみ、"いい加減にしろ"と叱った。
その時俺は走っていなかったのに、リーダーはなかなかはなしてくれなかった。
帰りの電車で"リーダーはなんで俺を叱ったのだろう"と俺は考えた。
それはその前に行った電車博物館で、例の子を俺が追いかけ回していたのをリーダーが知っていたので、また俺が追いかけ回したんだと疑われたのだ。
前から感じていたことだが、俺はAクラブにいくと、"ハイ"状態になってしまう。
今後二度と今日のように疑われるのは嫌だが、自分がハイ状態にならないようにする自信もない、
だから、辞める。
とまあ、こんな理由でした。
とても筋が通った説明で、さらに自分がハイ状態になるということを、十分にルカがわかっている事に「ルカも大人になったなあ」と、私たちはうなってしまいました。
実は私はルカがAクラブに入ったときからハイ状態になることに気づいていて、このままつづけていいものかと思ったりもしたのです。
でも、せっかく見つけたところではあるし・・・一つぐらいルカに任せるというのはどうだろう?(入った頃はルカも小さかったので、ルカにはまだ決定権を与えていませんでした。)そう考え、ルカには
「辞めたかったらいつでも辞めていいんだよ」と言っていたのです。
ところが、ルカは毎回楽しみに通っていました。
私も、長く通ううちに、余暇の充実という以外にも、クラブ主催の乗馬教室やスキー教室にも参加して、技術を身につけることができたり、大学生のボランティアの人も含めて、若い世代の人たちとのつきあい方を覚えると言う意味でも、メリットは多いとこの頃思い始めていたのですが。
「ルカの気持ちも分かるけど、これは重要な問題だからよく考えてみようよ。とりあえず当分は休みということにして・・・気が変わるかもしれないでしょ」というと、
「いや、辞める。お母さんは前に、クラブは俺の好きにしていいって言ったよね」と、痛いところを突かれてしまいました。
思案した結果、辞める理由をクラブの責任者に自分で言って、クラブの人もそれに同意したのなら、辞める、という結論に達しました。
とりあえず、メールで自分の気持ちをクラブの人に伝えてみようということになり、ルカは長い間パソコンに向かい、自分の気持ちを打ったようです。
メールの最後には
"そもそも僕はAクラブにいるとハイになってしまいます。
またハイになり、トラブルをおこしたくないので、
僕は、Aクラブをやめます。"
とありました。
なかなか文章もしっかりしていたので、そのまま修正なしでメールを送りました。
そして、数日後返事が来ました。
"君がクラブを辞めたら、みんなが悲しい。
とりあえず、ルカを叱ったリーダーと、僕と話し合いに来ませんか?"と書かれていました。
ルカはそれを読んで、「辞める」という意志はまだ続いているものの、前よりはちょっと柔軟な態度を見せるようになり、話し合いには行くことを同意してくれました。
クラブの人と、私も話をしたのですが、やはり私たちと同様、ルカがこんなふうに悩めることになったことに、驚いている様子でした。
入った頃は、ホントにご迷惑のかけどうしでした・・・。
ただ「ハイになることは悪いことじゃないと思う」とクラブの人はいってましたが、ルカの場合ハイになると、たいてい叱られます。
それを悪い事じゃないと納得させるのはかなり難しいことではないかなと思います。
さて、話し合いはまだもう少し先です。
どうなることやら・・・。
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