・近況報告 その2



<その2>

 5月23日 市立高等養護学校へ息子と見学に行って来ました。
ここは、軽度の精神遅滞の方を対象とする学校で、高校卒業後一般就労できることを目標に、主に作業訓練を授業の中心においています。
私たちが見学にいったときも、作業実習の時間で、部品の組立・陶芸・縫製・印刷等々様々な職種をとりいれ、実際の職場を想定した形で行っていました。
みんな、一生懸命取り組み、あいさつもきちんとしてくれて、とてもすがすがしい思いがしました。
その反面、いわゆる、国語や数学といったお勉強というものは、このような高校ではあまり重要視されないんだなぁ・・・という、思いにもとらわれました。
軽度の精神遅滞の子供たちは、ルカが現在通っている特殊級にも何人かいます。
ルカに比べると勉強の面での遅れがメインで、勉強という側面では、特殊級のなかでは、ルカがダントツできるという状況です。
私も知らず知らず、優越感に浸ってしまっていました。
ところがいざ社会へでて、働くということになれば、そんな中途半端な優越感など邪魔なだけ・・・。
でも・・・・だったらいままで勉強してきたことってむだだったの?等と、悶々と考えてしまいました。

 ところが、肝心のルカ本人はというと・・・・・。
「うーん、みんな大人みたいに働いてるねぇ。
思ったより立派な学校だね。」と感心していました。
来年は、受験する決意を固めたようです。
学歴社会で育った私は、どこまでいっても勉強ができるのが一番、という偏見からなかなか抜け出すことができません。
でも、ルカにはそのような思いがなく、私よりもまっすぐ物事を見ることができるんだなぁと、思いました。
勉強って、本来は何かになる手段としてやるんじゃなく、わからないことを知りたい!という、知識欲からくるものかもしれない。
ルカの勉強のスタイルを見ているとそう感じます。
 いろいろなことを考えさせてくれた、高等養護学校の見学でした。



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