・近況報告 その19


きょうだい

ルカには、3歳年下の妹がいるのですが、今日はその妹とのお話です。
妹は、現在小学5年生、反抗期にさしかかり、ちょっと難しい年頃です。
妹が生まれたときには、我が家にはすでにルカがいたわけで、お兄ちゃんに障害があるというような特別な気持ちを持たなくても、結構仲良くやってくれていました。
いわゆる健常児との交流という意味では、妹との関わりが彼の成長には一番役に立ったのではと思うくらい、小さい頃は、よく一緒に遊んでいました。
でも、小学校に入り、妹は妹の世界をもち、お兄ちゃんのこともかなり客観的に見るようになってきたようです。
私自身も、男女の違いもあるし、いつまでも兄弟一緒というよりは、それぞれが違う世界を持って欲しいと望んでいました。
私が二人に別々に関わるときは、かなり気分が違っています。
やはり、ルカの前では、障害があるということが、常に頭にあって、普通の関わりより、ちょっと気を使いながら会話したりするのですが、妹の前では、ごくごく普通の母親でありたいと思っていて、そういう二つの母親?を使い分けていることが、結構いい気分転換になっているみたいです。
ルカの障害のことは、別に私も主人ももう自然のこととして、受け入れることが出来ているので、妹もそんなに気にはしていないみたいでした。

ただ・・・
ルカに障害の告知をしたときから、ルカは妹には障害のことを内緒にしておきたいという思いが強く、妹が同席しているときに自分の障害の話になると、私に耳打ちして、ひそひそ話をしたりするので、そのことに関して、妹は、かなり気分を害しているようでした。
本当は、お兄ちゃんの障害のことを自分も気づいているのに、自分だけが家族ののけ者にされているような気分だったのでしょう・・・・・

「別に妹に知られたっていいんじゃないの?」
と、何度かルカにも言ったのですが、それだけはいやだと譲りませんでした。
ルカの気持ちの変化を待つしかないか・・・と、思っていたのですが、この間も、妹の目の前で、私とひそひそ話をしてしまい、それを見ていた妹の目から、涙がポロリ・・・・・
まあ、よく泣くやつなのですが・・・
私は、良い機会だなあと・・・というか、限界だなあと思ってしまいました。
ルカも妹が泣いているのに気付いていたので、妹が席をはずしたときに、ルカに話をしました。
私「さっき、妹が泣いていたんだけど、なんでだかわかる?」
ルカ「僕と、お母さんが話をしていて、自分の話をお母さんに聞いてもらえなかったからじゃないの?」
私「ちょっと違う。ルカはいつも自分の障害の話になると、妹の目の前でひそひそ話をするよね。あれって、とってもいやなことなんだよ。自分だけが、家族の仲間はずれにされているみたいで。妹はアスペルガーっていう名前は知らないかも知れないけど、あなたは特殊学級に通っているわけだし、小学校入学したときから、お兄ちゃんが自分と違うということには、気づいていたと思わない?」
ルカ「うーん・・・そうとも言える・・・」
そう言って、自分のせいで妹が泣いてしまったことに、かなり動揺している様子でした。
私「もう、隠す必要がないと思う。ルカが自分で障害のことを言ってくれたら、妹も喜ぶと思うよ。」
ルカ「えっ、ぼくが言うの? お母さんもついていてよ」
私「そばには、いてあげるから自分で言いなさい」
・・・・・・・・・・・ということで、私の立ち会いのもとで、ルカは自分のことを妹に話しました。
「ぼく、実はアスペルガー症候群でした。」
妹も少し、緊張したようですが、「もう私の前で、内緒話をしないでね」と言って、一件落着〜!!
やれやれ・・・・・

ところで、そのとき主人は何を・・・・・・
別室にて、大河ドラマを見ておりました。
中途半端に助言されても、混乱するだけなので、それはそれで、良しとしましょう。

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