ルカにとっての"犯罪"
以前もどこかで書いたと思うのですが、ルカは過去のことを時々思い出しては、悩んでいることがあります。
その悩み方は、その時彼が何に凝っているのかで、違ってくるのですが、この頃は、過去に自分がやってしまった過ちが、なぜ、犯罪にならないのか・・・
とーっても、悩んでいるようです。
例えば・・・・
それは、小学校4年の時でした。
ルカがお父さんに、ビデオの予約設定を頼んだときのこと。
複数の番組録画の予約を頼んでしまったため、設定にちょっと手こずってしまいました。
そのうち、ルカの見たい他の番組が始まってしまって、ルカが
「もう、いいよ。テレビ見るから」
と、お父さんに言ったところ、
「せっかく、おまえのためにやっているのに」
と、怒られたそうです。
その時、私もそばにいて、
「お父さんに悪いでしょ。」と、
ルカを叱ったそうな・・・・・。
私も主人も、ぜんぜん覚えていないのですが、ルカは今になって、どうして悪いのかを悟ったようで、
「せっかく、お父さんが僕のためにやってくれていたのに、あのときは悪かった!!」
と、
後悔してました。
と、ここまでは、ルカも成長したなあと、喜べる話なのですが、
「あれは、やはり犯罪だから、僕は罰を受けなくてはいけないのに、どうして、誰も警察に連れていかないんだろう」
と不思議がり、
「なぜ?」と、しつこく周囲に質問しました。
私「法律では、そんなことぐらいで犯罪とはいわないよ」
ルカ「だったら、法律を作って欲しい」
うーん・・・ 私は思案して、
「法律っていうのはね。みんなが納得して決めるものなの。ルカの考えていることと同じように、みんな感じているわけではないのよ。ルカは、ちょっとみんなと感じ方が違うよね。普通は、そんなことで犯罪だとは言わないの。それなのに、何回も同じ質問をされると、みーんな不愉快になってしまうでしょ。」と、少々きつい受け答えをしてしまいました。
ルカは「人、それぞれだからねえー」と、その場では納得したようすでした。
はあ〜 これでしばらくは、質問責めにあわない・・・と、私はほっとしました。
しかし・・・これだけでは終わらなかった!!
翌日、
「お母さん、僕は、やっぱり犯罪している。」
と、またまた、過去の話を持ち出しました。
内容は、あるサークルの集まりで、ルカは出席すると言っておきながら、その日欠席すると、私にごねたそうな・・・ それで、私は「みんなに迷惑がかかるから、だめです」
と、叱ったそうです。
ルカ「あれは、僕だけじゃなく、みんなが悪いと思うことなんだから、犯罪だ」
・・・私「でも、結果的には出席したんだから、悪くないよ。ルカはそーんなに警察につかまりたいか?」
と、なんだかやけくそになって答えました。
「当然!! 犯罪をやったらつかまらなくては、おかしいよ」
と、ルカ。
やれやれ・・・ 君の思考はどうなってるのか、私にはついていけないよ〜。
昔から、「これって、悪いこと? 人殺しより悪いこと?」
などと、よく質問していたルカですが、この頃はおさまっていたのに、また復活してしまいました。
どう、対処しようかと頭を悩ませ、つまりは、悪いことのランクづけをして、具体的に細かく悪いことの事例を書いた、階層表を作ったら良いのだろうかと、思ったこともありました。
これは、Aランク、これはBランクと、いちいちランクづけすれば、ルカの悩みは消えるのだろうか・・・
しかし、悪い事っていっぱいあって、リストアップするのも大変そう・・・
それよりも、そんな一つの考えだけに固執するを、やめさせたほうか゜・・・
どうやって?
うーん・・・ と、悩んでいるうちに、ルカは、気がかわったのか、
「公園いってきまーす」と、元気に出かけていきました。
アホらしい・・・ いろいろと、対策を考えいるウチに、ルカの方はケロッと忘れてしまうことも多いようです。
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