・近況報告 その13


千差万別

 あんまり、こういう話題ってどうかなあと、一人で思う私ですが、今日は、10月10日にNHK教育テレビで放送された、自閉症についての番組についての感想を書きたいと思います。
番組タイトルは「にんげんゆうゆう」でしたっけ?

ルカと同じ? アスペルガーの方が自己の体験について語っており、なかなか興味深いものでした。
テレビ番組の宿命で、時間の都合で、番組全体がいろいろとカットされているのでは? と思われるところがあって、少し残念でしたけど。

不景気で会社の帰りがやけに早い主人と一緒に見ました。
主人が、こういう番組に興味を示すのって、めずらしい事で・・・・・
ウチの本棚には、自閉症関連の本が、何冊か・・・・何10冊かあるのですが・・・・
主人は、一冊も読んでませーん!!
読書は、好きみたいなんですけどねー
その主人が番組を見る気になったのは、やはり成人のアスペルガーの方が、ビデオで出演なさっていたからでしょう。
アスペルガーの方の、独特な感性にふれて、
「へえー、そうなんだー」
と、感嘆しておりました。
何を、いまさら・・・・・と、思いたくなる私ですが、実をいうと私も、はじめて聞く話ではないにしろ、本人が語っているということに、これ以上の説得力はないなあと、思いました。
例えば、自閉症は、脳の情報処理の部分に、何らかの障害があって・・・・・と、HP上でも、自閉症のことをそう説明している方が大部分ですが、情報処理って何なのか・・・・・
本当に理解している人ってどれくらいいるのかなあ・・・・・
専門家の人たちの話って、むずかしくって、なかなか頭に入っていかないんですよねえ。
そのむずかしい部分を具体的に話されていて、ウチの主人の興味を引くことにも、成功したようです。
それでも、やはり30分、前の日の放送をいれても、1時間じゃーとっても、語れることではないと思います。

しかし、今日の表題を見てお気づきかも知れませんが、ウチのルカと比べると、同じ障害?と、思うほど その、症状は様々なんだなあと、思いました。
千差万別・十人十色とは、よく言ったもので、(うん?私もアスペルガーの方に影響されて、受け売り・引用が多くなったような・・・)同じ障害なのに、その人の持って生まれた能力・性格・環境によって、こんなにも違うんだなあと、びっくりです。
番組の中で、「希有な存在」と、解説の方がおっしゃっていたのですが、まさしくその通りで、自閉症の子供をもつ若いお母さんが、あの番組を見て、ヘンに我が子に期待してもらってもなーと、感じました。
ルカのことを他人に説明するとき、「自閉症」ということばを使うと、「自閉症の方って、天才なんでしょ。特異な才能を持っているんでしょ」
なーんて、言われてしまうことがあって、またか!!と、心の中では苦々しく思いつつ、
「そういう方も、いらっしゃるようですね」と、
作り笑いで答える私です。

それと、対人関係や認知の障害についても、その程度は様々で、番組に出演なさっていた方は、一例に過ぎないのだということも、わかって欲しいなと思いました。
特に、早期療育をうけている自閉症周辺の人たちの、成人になってからの状態像は、またいろいろと変わってくるんじゃーないかと、感じています。
障害を理解された上で、社外的なスキルを小さい頃から教えることによって、克服できることって、多いと思うのです。
それから、良い経験をさせること。番組でもいじめの話が出ていましたが、人と接することが心地よいと、できれば思えるように、育てたい・・・・・
これは、親の一方的な願いでしょうが、宇宙人だかなんだか知りませんが、この世界に生まれた以上は、人との関わりを心地よいものだと、限られた人たちの中でもいいから思って欲しいものだと・・・・・だってルカは、宇宙人じゃなくて、私の子供なのですから。

早期療育というと、〜法とか、特別な方法があるのではと、思っている人も多いと思うのですが、ルカの場合、ルカが通っていた療育機関の影響で、TEACCHプログラムを参考にして育ってはいますが、特にそれに心酔しているわけではなく、その都度、子供に適したものを取り入れてきた感じです。
いろんな所へ通うよりも、むしろ家庭での日常生活の中で、実践できることって多いのではと、思う次第です。
それ故に、親御さんが子供の障害について、できるだけ早く知る必要があるわけで、こうした番組は、細かいところにはケチはつけたくなるものの、どんどんやって欲しいなあと、望んでいます。

今回の番組は、内容によってはルカにも見せようと思ったのですが、やめときました。
もし、ルカが将来自分の障害について、みんなの前で語るときがきたら、顔を隠す必要はないし、もっと、自然の事として、障害を語ってもらいたいと、思うのです。
血液型で人の性格を推し量る人が、多いようですが、例えば、「あなた、A型? 私はアスペルガー型」と、言えるような? 他人の個性をどんどん許容できる社会になって欲しいと思っています。
このHPは仮名ですが、それは、学校関連で私が学校を批判をしているところがあり、誰かがそれによって傷つく可能性を持っているからです。

ルカは、今のところ、他人には自分の障害を隠したいという気持ちがあるし、本当の意味で自分の障害を受け止めるには、私が彼の障害を受け入れたのと、同じくらいの時間が必要かも知れません。
でも、このHPに関しては、私が作っているのを彼は知っているし、反対もしていません。
いつ日か、彼が自分のことを、後輩のアスペルガーの人たちに語ってくれることを、望んでいます。



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