"としごろ"のルカ
中学生になってから、ひげも伸びてきて、鏡に向かうことが多くなりました。
すると、ひげだけでなく、いろんなものが見えてくるらしく、顔のしわを気にしては、もう僕はしわがあるから、おじいさんだあ〜と、嘆いたりします。
先日も、顔のぶつぶつを発見!!
「お母さん、これ何?」
と、聞きに来るので、
「ニキビだよ。ルカも年頃だねえ」
と、答えたところ、
「えっ? ぼくってやっぱり年なの?」
と、あわてた様子。
どうやら、年頃と年寄りを間違えたらしい・・・・・
「年頃って言うのは、ルカみたいな10代の若者のことを言うんだよ」
と、私。
ルカもほっと一安心でした。
さらに、ルカの質問は続き、
「年頃ってさあ・・・・ 人を好きになったりもするよねえ」
と、決まり悪そうに聞いてきました。
私は、内心、おもしろーい!!と思いながら、
「うーん、そうだよ。ルカの年になれば、だいたい好きな人がいるんじゃないかな。ところで、ルカはいるの?」
ルカは、思いっきりあわてて
「そ、そんなこと・・・・ 言えるわけがないでしょ。こんな質問するんじゃなかった!!」
と、後悔しきり・・・・・
意地悪おばさんの私は
「そんなこと、言わないで教えてよ〜」
と、つっこむと、
「お母さんも、僕の年の時を考えてみてよ。言えるわけないでしょ!」
と、ルカ。
これは、一本とられましたー。
そこで、私は質問を変えて、
「例えば、テレビに出てくる人で、いいなあって思う人いないの?」
と、質問。
そのあとも、いろいろ聞いたのですが、どうも女性の趣味はまだ、固まってないらしい・・・・
ながーい髪が好きだとか、女性のある部分に興味をもつ自閉症のかたもいらっしゃるらしいとか、聞いたのですが、ルカには、特にないようでした。
実はルカには、好きな人が、どうも6年生ぐらいからいたらしく、
交流級のクラスメートに、「好きな人を言わないと・・・・」
と脅迫されて、名前を言ってしまい、それからしばらく、そのことでからかわれたという、にがーい経験があるのです。
ルカの部屋にその子の写真が飾ってあったりしたので、私も誰かは知っていました。
中学になって、クラスは分かれたのですが、
今年、なんとまた交流級で一緒のクラスになりました。
まだ、あの子の事が好きなのかなあ〜
と、思ったもので、つい、しつこく聞いてしまった次第です。
ルカが部屋に戻った後、新聞を読みながら・・・・実は、しっかり聞いていた主人は、こらえきれずに
「くっくっ」と、笑っていました。
もう、秋なのに・・・
君は、いつも春だね〜
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