労働週間A
毎日良いお天気が続きますね。
もう紅葉の季節。
そしてルカは言いました。「紅葉をはやく見にいこうよう」
・・・・・・・・失礼致しました。
さて、先週ルカの学校では労働週間(近況99を参照)でした。
ルカは一週間コンクリートの作業に取り組みました。
今回の彼の目標は「怒られてもめげない」「注意されたことを理解する」というものです。
以前から、コンクリートの作業学習では、やることがわからなくなって怒られてしまうことが多く、ルカはそのことをとても気にしていました。
怒られないようにしようと気にするあまり、逆に失敗につながってしまうこともあるようです。
誰にでも失敗はあり、怒られることもあるということ、アスペルガーの人は完璧を求める傾向にあるので、このことを納得するのはかなり難しいことのようですね。
今回ルカがこのことを目標にしたということで、私は、ほーっ!と感心しました。
なぜなら、ルカは目標を設定するばあい、自分ができそうにないと思っていることは周りからどんなアドバイスを受けようと、目標にはしません。今回これを目標にしたということは、自分でもこのことを克服しよう、克服できるのではないかと見通しがもてていることの現れだと思ったからです。
さて、労働週間の前半はなんとか大きなミスもなく、無事クリア。(担当の先生もルカの特徴がわかってきて、いろいろ配慮してくれたこともあるのかな?)
この調子で・・・と思ったものの、後半少しミスが出てきた様子でした。
ルカはやはり少し落ち込んでいましたが、以前のように大きく落胆することもなく
「担任の先生の言うことを思い出した」と先生が宿泊学習の登山の時に話したことを私に教えてくれました。
登りは大変なようだけど、実は危険なのは下りのほうで、下りは楽だと油断しているとミスにつながるので、最後まで気を抜かないように
、という内容で「俺も油断したかなー」と反省しておりました。
作業の先生からは「自分が何か作業を始めるときは黙ってやらないで、報告をきちんとしよう」というアドバイスをいただきました。
多分ルカは、自分だけが納得して黙って作業をしてしまうので、それがミスにつながることもあったのでしょう。コンクリートはチームワークも大切な作業なので、声かけも重要です。
「これは大切だね」と私が言うと
「うん、でもどこまで報告すればいいかわからなくなる。」とのことだったので、これはいいかな?と思ってもとりあえず声を出して報告してみては?とアドバイスしてみました。
「例えば、"バケツ運びマース" "バケツおきマース"とか?」とルカ。
うーむ、多分バケツおきますはいらないかも? なかなかそこら辺の判断は難しそうで、いろいろな課題がみつかるものだなあーと思いました。
かくして労働週間はめでたく終了。
ところで、労働週間中は「労働週間のしおり」を「弁当を忘れても、しおりは忘れてはいけない」と厳しく言われているようで、ルカはそのこともとても気にしていました。
夜テレビで「火事の時一番最初に持ち出すのは何?」というクイズをやっていたときのこと。
「この質問ってよくあるよね。俺は3番目はお金。2番目は電車の写真。そしてーっ!! 1番目はやっぱり今は「労働週間のしおり」でしょう〜!」と断言しておりました。
いくら先生に大切なものだと言われていても、あの学校の中でここまで徹底しているのって、ルカだけ・・・だよね。
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